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2014/07/23

「散骨、樹木葬…新しい埋葬スタイル」

 「散骨、樹木葬……新しい埋葬スタイル」(PRESIDENT Online)という記事が目を惹いた。

 「夫婦は同じ墓に入るべきである」という考えについて、「そう思わない」「どちらかといえばそう思わない」という否定派の男性は、たった6.4%だが、女性は17.5%にもなる。この女性の忌避感で挙げられている理由は、「せめて死んだら別居したい」、「ほとんど行ったこともない夫の地元の墓に埋められたくない」、「夫はよくても夫の両親と同じ墓は嫌だ」というもの。広い意味では家族の解体現象に当っている。

 そこで、団塊の世代の選択されだしているのが、新しい葬法スタイルというわけだ。

都会に住む人のほうが特別多いということはありませんし、子どもが何人もいる夫婦も珍しくありません。私はこの流れを、墓の継承・管理や金銭面で『子どもに負担をかけたくない』という親としての配慮や自立心の表れと考えています。また、青春時代にフォークソングを歌い、自由を謳歌した団塊の世代は、自然志向の表れとして散骨や樹木葬を選ぶこともあるようです」(東洋大学ライフデザイン学部教授・NPO法人エンディングセンター代表 井上治代氏)

 さまざまな選択肢にはご丁寧に費用まで載っている。

・共同墓(合葬墓)継承者を必要とせず、血縁を超えた者同士で埋葬される墓。ロッカー式の納骨堂タイプが多い。基本的に生前申し込みが必要。費用は数10万~100万円程度で、個人で一から墓を作るよりは安い。

・樹木葬墓石の代わりに墓標として花木を植え、その下の土に直接遺骨を埋める。基本的には継承者を必要としないが、生前申し込みが必要で、年会費が必要な場合も。相場は40万~50万円程度。

・桜葬樹木葬の一つの形態で、大きな桜の木の下に共同墓の形で埋葬される。継承者は必要ないが、毎年桜が満開になる頃、合同慰霊祭が行われる。生前申し込みが必要で、相場は40万円程度。

・宇宙葬遺骨や遺灰を空に撒く、いわゆる空への散骨。文字通り「星になる」ことができるロケットを使用する場合は100万円程度が相場だが、写真のバルーン宇宙葬なら20万円程度と安価になる。

・手元供養ミニ骨壷やペンダントに遺骨や遺灰の一部を入れて身近に置く“分骨納骨型”と、遺骨や遺灰を加工してアクセサリーにする“遺骨加工型”がある。加工賃は5万~数十万円程度。

 樹木葬や散骨には、自然の循環のなかに自分を戻したいという欲求を見ることはできるだろう。ただ、樹木葬の場合でも、火葬は前提とされているように見え、自分の肉や血を自然の循環に戻すというところまでは行っていない。海や空に撒く散骨は、第三次産業以降に対応した形態と見えなくもない。

 身寄りのない人に選ばざるをえなかった共同墓も選択肢のひとつになっている。ここには、過剰になり過密になった人間が、家族単位で独立した墓を占めることへの忌避感が、家族の解体現象とは別に、無意識の欲求になっているように見える。

 若いころにジーンズを着出した団塊の世代が、葬法もカジュアル化しようとしている。人口の過剰世代である彼らの選択には、人類過剰時代の兆候を見る気がする。

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