« 「赤マターの神事に関する覚書」 | トップページ | 「南西諸島のGeheimukult-新城島のアカマタ・クロマタ覚え書-」 »

2014/06/21

「西表島古見むらのプール」

 湧上元雄の「西表島古見むらのプール」(『沖縄民俗文化論―祭祀・信仰・御岳』所収)から。

 マイダツ(前立。体力精神のすぐれた者が選ばれる)の持つ赤白二旒のシルシ旗(船漕ぎにも使用される)を先頭に、ミバライと称する太鼓打ち、銅鑼たたきについで、右手にパク(矛)を携えた二神がジーシトゥ(地人)という大勢を従えていいよいよ登場。人々に神出現を告げる警戒と威嚇の「ヤークリ、ホッホ」の叫びがおこり、鳴り物の音の高まりにつれて、昂奮と緊張は一段と増す。
 「ウプユーバ ムチワール、ミキリユーバー ムチワーツル(大世をば持ってきたぞ、大豊作を持ってきた)」と歌い出すトゥール(道行)ユンタにつれて、まず白マタが進み寄ると、縁下に控えたヤームトゥのティシュ(亭主)の「白マタ、サレー」の挨拶によって、司、村人たちが拝礼する。
 その瞬間、全身シツカザにおおわれた白面のフサマラー(草をまとったまれびと?)が身をふるわすと、微妙に全身揺れ動いて、彷彿としてきたりうける霊のいますかと錯覚されるから妙だ(p.187)。

 湧上は感じるべきことを感じている。よほど感じ入ったとみえて、別のところでも、「赤面の赤マタと白面の白マタは、シツカザ(西表三味線カズラ)に身をつつみ、体をふるわすと、細い草の先端が微妙に揺れ動いて、宙に浮かんでいるように錯覚されるから妙だ(p.201)」と書いている。


 

|

« 「赤マターの神事に関する覚書」 | トップページ | 「南西諸島のGeheimukult-新城島のアカマタ・クロマタ覚え書-」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/87956/59357387

この記事へのトラックバック一覧です: 「西表島古見むらのプール」:

« 「赤マターの神事に関する覚書」 | トップページ | 「南西諸島のGeheimukult-新城島のアカマタ・クロマタ覚え書-」 »