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2014/06/22

「南西諸島のGeheimukult-新城島のアカマタ・クロマタ覚え書-」

 住谷一彦の「南西諸島のGeheimukult-新城島のアカマタ・クロマタ覚え書-」(『南西諸島の神観念』所収)。この本自体は、1977年が初版だが、論考は1963年に書かれたものとある。「Geheimukult」は秘儀。この論考は、注がとても示唆的だ。

新城の場合には、このアカマタ・クロマタが粟の豊年祭に現れ、親の方が米の豊年祭にだけ出現することが止目されよう。しかも、このアカマア・クロマタは、別称をフサマロといい、波照間島で雨乞い行事アミニゲー(旧一〇月ネノミズノエの日)にあらわれる仮面仮装の神人(したがって、その仮面)がフサマラとよばれているのと何らかつながりがあるのではないだろうか(p.42)。

 前に考えたように子神が「粟」の豊年祭に現れ、「稲」の豊年祭に親子が現れるのは、もともと「神-粟」の豊年祭だったものに、「稲」が本格化し、「親子-稲」、「子-粟」と二重化したと考えることができる。アカマタ・クロマタ祭祀は単色ではなく編成を受けたことがあるのだ。

 しかし、子神は「フサマロ」という別称を持つ。湧上元雄も「西表島古見むらのプール」(『沖縄民俗文化論―祭祀・信仰・御岳』所収)で、「全身シツカザにおおわれた白面のフサマラー(草をまとったまれびと?)が身をふるわすと、微妙に全身揺れ動いて、彷彿としてきたりうける霊のいますかと錯覚されるから妙だ(p.187)」と、古見の子神シロマタに「フサマラー」という別称のあることを書きとめている。

 この別称とは、アカマタ・クロマタの古名ではないだろうか。住谷が「何らかつながりがあるのではないだろうか」と書くように、ここにはつながりを見出せるかもしれない。

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