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2014/06/01

77.「葬地の聖地化について」

 「葬地の聖地化について」(酒井卯作『琉球列島における死霊祭祀の構造』)。

 お嶽(うたき)に祀られている人骨やその伝承からみると、そこに浮かび上がってくるのは開祖、英雄、夫婦、兄妹などというのが祭神の共通した性格(p.598)。

 奄美は、琉球の文化圏でありながら、お嶽の名は消えて、イベ、ウブなどと呼ばれているが、沖縄のお嶽信仰の古い姿を彷彿とさせるものがある(p.600)。

 寺院の役割がうすい琉球列島では、年忌供養はあまり大きな意味をもたない。

 お嶽やウブなどに祀られる者は、一部の特定の人に限られていて、そこは浄化されたといえども、常民の死者の魂の祀られる場所ではなかった(p.601)。

 死者が始祖としての神になり、またはお嶽に祀られるという風習は生じえないと私は思う(p.602)。

 嶽は常民を祀る葬地ではないというのは、酒井の言う通りだと思うが、そこは葬地というより神の住処というのが正確ではないだろうか。つまり、葬地が聖地化されたわけではない。人骨が発掘されているが、それは必須の要件にはならない。

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