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2014/05/10

56.「七度の生」

 「七度の生」(酒井卯作『琉球列島における死霊祭祀の構造』)。

 八重山川平。
 祝女(つかさ)が一人前の神女として誕生するとき。ヤマダキ(ヤマとは聖地お獄のこと)の行事。目には見えない神と同衾。この後で、海岸におりて潮水を浴びることを、ナナサイノハナヲカメルという。七水を浴びるというのは、新しい神としての精霊を獲得することを意味している(p.406)。

・死を象徴する後生衣を次の世帯主がカドフリに着る(大島宇検)
・「死人の着物をきると健康になる(多良間島の諺)」

 これも、霊魂の転移と同じ考え方だ。

 七という数字は、日本においても発生、誕生、もしくは節目をあらわすという意味で重要な数字である(p.417)。

・「後生の門や一門、阿弥陀や七門」(与論島)。

 七つの峠を越せば穢は聖に戻り、七つの門をくぐれば死は生に還元される(p.418)。

 柳田國男が『海南小記』に書きとめたナナユーフィの伝説からスタート。父のために七度身を売って農奴となり、七度身を贖ってついに長者となったというもの。ここに再生信仰を見ようとしている。

 ナナユーフィの伝承は、農民たちの悲しかった毎日の苦労を裏書するとともに、なおその根底には、よりよい明日を夢みる永世の思想がひそんでいたようだ(p.418)。

 

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