69.「位牌祭祀の成立」
「位牌祭祀の成立」(酒井卯作『琉球列島における死霊祭祀の構造』)。
名門一族においてすらも十七世紀以前には位牌は必須のものでなかった(p.535)。
常民の社会では位牌祭祀は負担だった。
・死霊を恐れる感情が強かった。
・家屋の構造に、仏壇や神棚を設けるゆとりはなかった。
琉球的な色合い。幼児のためには位牌はつくらない。
マブイ込めを行って人間になる。言い換えれば、マブイによって人は生まれるかもしれないが、その定着はあやうく、弱かったり抜けだしやすかったりしたということだ。
位牌祭祀は常民社会にぽいて、武家社会より少し遅れて、十九世紀後半ごろから定着していく。しかも官からの強制によって(p.537)。
| 固定リンク
コメント