61.「宮古諸島の墓制」
「宮古諸島の墓制」(酒井卯作『琉球列島における死霊祭祀の構造』)。
親所(うやどころ)、元(むと)は墓を指す。ミヤカーという石積み、もしくは巨石で覆うた墓がある。とくに巨石墓といわれるものの規模は、他島では類をみないほどの豪壮な構え(p.457)。
「墓地はやたらに人に教えるものではない」という言葉も残っている。
島役人たちが模合墓を作らせたいちばんの理由は埋葬地の整理により耕作地の拡張を図りたかった。それが証拠に洞窟内は近年まで続いていたのに干渉を受けなかった。
「葬地すら明らかではなく、葬地に死者をおしこめてしまうと、そのまま、なんらの行事もせずに、忘却してしまう型(p.450)」。しかし、他の諸島と同様、「その歴史的な背景には特異なものは存在しない」(p.457)。
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