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2014/04/27

44.「葬地と逆さ竹」

 「葬地と逆さ竹」(酒井卯作『琉球列島における死霊祭祀の構造』)。

 墓所に設けられる標識。「梢付塔婆(うれつきとうば)」。柳田國男は、「古来の神を祀る為にもっとも必要であった祭の木が、名を変へ形をやゝ改めつつ」変化したものであることを示唆した。

 琉球列島も内地と大きな違いはない。

 葬制が形式化する以前においては、いわゆる「祭りの木」なるものは必要だったのだろうか、が問題である。葬地すらも明らかにしなかった時代、死者をおけば、以後はけっしてそこに足を運ぶどころか、指もささないという時代、それもまだこの頃の話である。そうした時代に、はたして死者のために設ける魂の依り木というものが重要な役割をはたしていたかどうか私は疑問である(p.327)。

 「息つき竹」。死者の魂の招ぎ代。あるいは、モガリの形式の変化したものという説がある。

 死というもののもつ本来の意味や標識の複雑な作り方からすれば、死者への配慮のあらわれとしてみられる「祭りの木」や「依り代」の性格よりも、その起源は、(中略)モガリに似た形式から出発したものとみるのが穏当のような気がする。もっと正確にいうと、モガリといえないまでも、それに似た、死者への禁忌観念というような意味から生じた植樹の風習であったのかもしれない(p.327)。

 問題の整理。

・葬地に立てられた「拝み木」や「祭りの木」は、葬地に立てられる柴や杖と関係がありそうだ。
・「息つき竹」や杖などは、喪屋の名残りとみられる。
・死霊観念の濃厚さを考えると、「逆さ竹」に象徴されるように、死者との断絶、もしくは死霊の抑圧という考え方があって、それが柴立て、杖立て、拝み木へと変化していったとみることもできる。(p.332)

 ぼくは祖霊との交感の象徴のバリエーションとして見ていいのではないかと考える。「死者との断絶、もしくは死霊の抑圧」を元には考えにくい。

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