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2014/04/11

28.「脱霊と死」

 第三章、「脱霊と死」。第一節、「死の名称と絶命」(酒井卯作『琉球列島における死霊祭祀の構造』)。

 死の名称。

名詞
・モール(奄美大島、徳之島、沖永良部島)
・モイ(与論島)

動詞
・モルシュン、モーシュン、モイシュン
・マリシャンドウ(喜界島)
・マーイサン(久米島)
・マースン(喜屋武)
・マル(八重山)

 マル。日本古語では「転ぶ」の意。死の状況を転ぶという意味の忌言葉で表現したのではないか。マルは「生まれる」という表現にもつながる。死から生への還元を意味する信仰がマルという言葉の中にこめられていたと思う(p.197)。

 マルには、生と死の意味が二重化されている。輪廻転生。

 死の認定の仕方。

前兆
・野鳥が屋内に迷い込んだとき、犬の遠吠え、烏の啼き方、棺桶を作る物音。人魂(ちゆたま)という火の玉の流れ、サキマブリの現象。

絶命を確かめる方法
・脈拍の停止。
・鼻の下、膝小僧、小指の爪のつけ根などに灸をすえてその反応をみる。
・水や塩水をふくんで危篤の病人に吹きかけてみる方法。
・病人の口に粥をいれて、喉を通らなかったら絶命。
・病人の名を呼んで「呼び起こす」のはその後の作法。

後生戻り(生き返り)の実話はたくさんある。


 死の認定が難しかったのは、今も昔も変わらなかった。マルという言葉の意味の二重性ははっとする。


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