« 26.「背守りと守護霊」 | トップページ | 28.「脱霊と死」 »

2014/04/10

27.「守護霊の憑依」

 「守護霊の憑依」(酒井卯作『琉球列島における死霊祭祀の構造』)。

 マブイの他に「セー」という言葉がある。折口信夫によれば、古くはスジ、セヂと呼んだ。マブイと区別するのは難しい。「セーは魂の神聖さを示す言葉のような気もする」(p.185)。

 セヂ高いという言葉は今でも耳にする。ここでは、マブイに対する察知力のことだと解しておく。

マブイは抽象的な形ではなく、具体的な姿で映像化している。マブイが親子であるいていたとか、猫小(マヤグヮ)か豚小(フアグワ)のような形で走っていたとか、若干の恐怖を混じえてこれをみた人の話が多いのはそれを物語るものであろう。(p.185)。

 したがって、マブイはその人、動物と同じ形をしていると表象されたのだと思う。三角形というのは、マブイを象徴化した時の図形化に当たっている。

 酒井はここで丹念に、大島から八重山まで、12のマブイ憑依の例を挙げている。

そこにみられるマブイの霊質は、肉体と同じように、思考をし行動するところの、単純にしてきわめて無邪気な霊体だということであろう(p.193)。

 マブイの定着が人間の成熟の意味。

 霊魂が宗教観念や哲学の世界に凝結してしまう以前の、素朴な呪術的環境を整然として具象化のまま伝承しているのが琉球列島である(p.194)。

 言い換えれば、霊魂と身体が二重化される初期人類の状態をある程度に置いて保存してきたということだ。


|

« 26.「背守りと守護霊」 | トップページ | 28.「脱霊と死」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/87956/59261424

この記事へのトラックバック一覧です: 27.「守護霊の憑依」:

« 26.「背守りと守護霊」 | トップページ | 28.「脱霊と死」 »