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2014/03/06

『アフリカ的段階について』Ⅱ-3

 モルガンのいう野蛮の下層状態といのは、現在の視点からは、人類が無機的な自然や植物や生物や動物を内在的に了解している精神の段階だとかんがえるべきなのだ(p.72『アフリカ的段階について―史観の拡張』)。

 「野蛮の下層状態」についてのモルガンの定義を吉本は次のように言い直している。

人類がただ人類として即時的であった時代で、手当たり次第の果実や木の実を口に入れ、魚類や貝類やその他の生きものを手づかみして喰べていた時代。アフリカの原住民のなかには現在でもこの状態の部族は存在するし、わたしたちの現在でも、そのように無調理の野生物を口に入れることはありうる(p.68)

 バンシルーを採って食べる、あれだ。


 モルガンの「野蛮」、「未開」という言い方を仮に踏襲して、吉本の言い直しを列記してみる。

Ⅰ 野蛮の下層
 「人類がただ人類として即時的であった時代」

Ⅱ 野蛮の中層
 食糧となる自然物の採取手段の客観化、分離、内在化。火の人工化、採取の人工化(弓矢)

Ⅲ 野蛮の上層
 人工化された食糧の保存。製土器。

Ⅳ 未開の下層
 自然物の蓄蔵と栽培の人工化。人類が、無機的自然、植物、動物と自身を区別。分節した言葉を操れる。家族とそうでないものの区別。住居の定着。

Ⅴ 未開の中層
 溶鉄。

Ⅵ 未開の上層
 文字の発明。

 Ⅳは、共同幻想、対幻想、自己幻想の分離の時期に当たっている。ぼくの関心事からいえば、ⅠからⅢの「野蛮」と呼ばれる時代を繊細に掴み取りたいということだ。この間に、トーテムは発生し、共同幻想、対幻想、自己幻想の分化が起こり、来訪神の信仰も発生した。

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コメント

私はこういう空想的なおとぎ話は下らないと思いますが、あなたはこれを本気で信じているんですか?私は、あなたにはこれより優先して解決すべき問題があると思いますがね。例えば上里隆史の物理的に有り得ない記述を「戦争過程が詳細化された!」とか大喜びしたり、「古文が読めないので現代語訳を書いてくれてるのがありがたい」とか言ってる事です。こういうファンタジー小説に時間を使うのは、地図の読み方とか古文漢文の読み方を身に着けてからにした方がいいと思いますよ。
要するにあなたは教養がないから下らない作り事にすぐ騙されてしまうんですよ。

投稿: neoairwolf | 2014/03/07 01:01

『未開』という語にいい印象はないですが、『野蛮』という語に対しては惹きつけられます。
代表的な語として「徳之島野蛮」があり、「野蛮」とは昔日の蔑称としての語感が強いですが、含みとして、もっと野蛮に、野蛮を忘れるな、と言う純粋性のようなイメージも想起できます。
「野蛮」状態が解き放たれた時に例えば昇曙夢がロシア正教やロシア文学にまた、吉満義彦がカトリック的な思想に、それぞれ極北とも言える方向にのめり込んだのはどうしてだろうかと。
「野蛮」や「未開」の対義語としては発展系としての「文明」なども思いつきますが、果たして学問的な意味としての“下層”としてはどちらがどちらを包括しているのかも混乱もします。

投稿: syomu | 2014/03/08 10:11

>「野蛮」や「未開」の対義語としては発展系としての「文明」なども思いつきますが、

そういう「発展系」という古典ダーウィニズム的歴史観がおかしいんですよ。徳之島人は薩摩兵数名を殺害してる有能な人間ですが、彼らを「幼弱」呼ばわりしている現代の上里隆史とか高良倉吉は能もなければオツムも鈍いゴミみたいな連中でしょう。彼等みたいな役立たずの人文系乞食に生存を許可しているのは、間違いなく我々「文明」です。その点、我々「文明」は「野蛮」に明白に劣っていると言えますね。

投稿: neoairwolf | 2014/03/08 15:38

syomu さん

>「野蛮」状態が解き放たれた時に例えば昇曙夢がロシア正教やロシア文学にまた、吉満義彦がカトリック的な思想に、それぞれ極北とも言える方向にのめり込んだのはどうしてだろうかと。

ぼくも関心あります。吉満義彦も読んでみたいです。

投稿: 喜山 | 2014/03/08 17:08

>neoairwolfさん
ソシュールの言語学的な時間軸に敬意をはらったつもりであえて「発展系」と記しましたが別に「退化系」と解釈していただいても結構です。

>喜山さん
南の島なのに凍てついている感は何なのでしょうか

投稿: syomu | 2014/03/09 02:02

>ソシュールの言語学的な時間軸に敬意をはらったつもりで

言語学的な時間軸ってなんですか?全く意味不明なんですがwwwとりあえず言語学的な時間軸と、言語学的じゃない時間軸の違いについて具体的に説明してくれますか?

投稿: neoairwolf | 2014/03/09 04:28

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