一握のフバマの砂
那覇空港で東京行きの便を待っている。月曜を控えた夕刻の便を前に待ち合い所は人でいっぱいだ。自分がそうだからか、みんなが疲労と虚脱感と寂しさを抱えているようにみえる。
今回の帰島は、会うこと叶わなかった人も場所もあったが、大切な人たちと話すことができた。
濃密な人と人のつながり、停滞とスポイル、子どもの不在、命脈を保つ民俗とさびれる街、にもかかわらず進む道路工事。独自のような縮図のような、島の表情に直面した。いまは感じるべきこと考えるべきことが、過飽和のように身体からあふれていって言葉にならない。少し時間がたてば、深呼吸した分は吐き出すことができるだろう。
それにしても、今回も、島を離れるのはきつい。どうして年齢の積み重ねは緩和剤になってくれないのだろう。やれやれ、だ。
慰みに、フバマの砂を一握り、持ってきた。砂よ、助けてくださいな(苦笑)。
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コメント
おめでとう。
石川啄木かと思いました。
与論島では沖縄県の地上波は受信できるんでしょうね。
基地問題では熱く議論されてますか。
今年も南西諸島情報、お願いします。
http://blog.goo.ne.jp/gooeichan/e/87a5dd534cfa61af54f69790962aeb1e
投稿: kayano | 2010/01/04 13:08
おかえりなさい。
喜山さんの言葉まで、透き通って見えます。
与論島の力なのかなぁ~
ゆんぬんちゅじゃなくても、島や那覇を出るときはとっても寂しくなりました。
きっと、生まれ故郷を離れる方は、もっともっとなんだろうなぁ・・・と思います。
我が家には、与論の珊瑚たちがいますよ☆
投稿: kemo | 2010/01/04 13:40
kayanoさん
今年もよろしくお願いします。
詳しくは分かりませんが、基地問題は島では議論されていません。でもそれは基地問題に限ったことではなく、自分たちに身近な問題ですら議論されることは少ないと感じます。無力感は根深い気がしています。
投稿: 喜山 | 2010/01/04 21:44
kemoさん
珊瑚たち、大事にしてやってください。与論も珊瑚でできてますし(笑顔)。
投稿: 喜山 | 2010/01/04 21:46