「琉球弧芸能祭」
南海日日新聞の「金海天地」(2010年1月26日)。
奄美文化センターであった「琉球弧芸能祭」(23日)を鑑賞した。お目当ては約300年の伝統を誇る沖縄の国指定の重要無形文化財「組踊」
▼「組踊」は琉球王府時代の宮廷芸能の根幹とされる総合芸術。中国からの使者を歓待するため、踊り奉行の玉城朝薫が能や歌舞伎を取り入れて創作、日本や中国との交流の中で洗練されていった琉球独自の歌舞劇
▼同センターで上演されたのは、1719年初めて上演された玉城朝薫による2作品のていちうち護佐丸敵討(二童敵討)。あじ按司の子ども2人が父の敵討ちを果たす物語が、荘重な調べと優雅な踊り、独特のせりふ回しで繰り広げられ、見る者をあきさせない
▼登場人物の一人が勝連按司の阿麻和利。一般的には逆賊とされているが、琉球の古歌謡集「おもろさうし」では首里の王と並び称されるほど賛美されている。勝連や護佐丸のいた中城と奄美との関係を示すおもろもあり、興味深い
▼この夜のもう一つの目玉が瀬戸内町油井の豊年踊り。県指定の無形文化財で組踊とは対照的に、奄美大島南部の風土そのものといった素朴な魅力に富んだ踊りや無言劇が観客を楽しませた
▼沖縄と奄美を代表する伝統芸能を同時に堪能できたのは好運だ。琉球弧の芸能の魅力と奥深さを十分味わった。ただ残念なのは観客が少なかったこと。奄美で組踊が披露されるのは極めて珍しい。もっと多くの人に見てほしい舞台だった。
これはぼくたちがやった「奄美と沖縄をつなぐ」の奄美現地版という風に見える。「もっと多くの人に見てほしい舞台だった」。ぼくもそう思う。
模様は「サモガリが奄美のシマち、ともしゅっとー」に詳しい。
◇◆◇
ところで、普天間基地移設問題で徳之島がその候補として挙がったという報があった。奄美のぼくたちは驚く。反対をするのは自然な感情だが、現地の行政者は同時に、普天間基地撤去の声も挙げてほしいと思う。
「沖縄離島ブログ」が、なぜ離島ばかり、という問題意識で書いている。
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コメント
「金海天地」、とってもいいひびきです。
「南の海と天と地」は、まさに無尽蔵の「金の海と天と地」の島々ですから。
コラム名は「金海天地」に!
南海日日新聞社さんに、リクエストしたいですね。
(^ム^)
投稿: amamian | 2010/01/29 20:49
沖縄より一足お先に鹿児島県に復帰した奄美には、一つの米軍基地もありません。これを奄美の人は当然の事と、何の疑問も持たないで過ごしてきたでしょうが、私は奄美の人も、もっと米軍基地の事を考えて欲しいと思います。
今度候補地として上がった事は、佐野眞一が「奄美は米軍基地に向かない土地だから、御用済みとしてポイと沖縄から切り捨てられた」という文言が、いかにデタラメな沖縄誹謗の内容である事が判るでしょう。
出来ることなら奄美の別の島も、候補地として上がってもらいたいと思います。鹿児島県がそれ阻止するでしょうが、沖縄米軍基地への奄美人の関心を呼び覚ます意味で良い事だと思います。
投稿: キー坊 | 2010/01/30 00:54
amamianさん
優しいご指摘、ありがとうございます。わたし、やってしまいましたね。(^^;)
投稿: 喜山 | 2010/02/03 18:02
キー坊さん
奄美の人が、基地問題を考えるいい契機になればと思っています。
投稿: 喜山 | 2010/02/03 18:03
「南」と「金」。
象形文字としても、両者なんか似てますね。
北方の漢民族にとって「南方」は「金宝」だった?
あれっ、「宝」と「南」もなんか似ている。
こじつけ、か?
「金海天地」で遊びましょう。
(^ム^)
投稿: amamian | 2010/02/06 11:57
amamianさん
遊び心、とうとぅがなし。
「金海天地」という四字熟語がある気がしてきました。(^^)
投稿: 喜山 | 2010/02/07 14:20