ココログ6周年に寄せて
ココログが6周年を迎えて白書を公開している。
ブログを開設した日は、2005年2月27日とある。けれどこの日は書き始めた日ではない。心から敬愛していた百四歳の祖母が意識を失うようになったのを聞いて慌てて与論に帰った。ぼくは昔から与論のために何かをしたいと思い続けてきたし、周囲にも言ってきた。けれどその時点で何もなにもしていないのに気づいて焦った。何も報告できないまま祖母が逝ってしまうかもしれない。ぼくは何かできることはないかと考えて、メールアドレスを持っていたニフティでブログを開くのを思いついた。たしか、祖母の家のダイヤル回線を拝借してインターネット接続して開設の手続きだけした。それからもしばらく祖母は生き、百五歳の誕生日の次の日に書き起こした。その三日後に祖母は旅立った。
それからぼくはブログを書き始めた。
少し書く動機が違うかなと思うところがあるとしたら、アクセスをアップさせるなどの方策は何もしないと決めていた。読みやすさのために最初は短く文章を切っていたが、それがまだできてもいない自分の文体を育てることになっていないと思ってそれも止めてしまった。もう少し分かりやすくしてほしいとときどき言われる。ぼくもわざとそうしているわけではない。難解にしたいのでもなく、短い時間で直観的に感じていることを言葉に封じ込めるので精一杯なのだ。
誰にも見せたくないから、アクセスアップなどの方法を採らないのではない。多くの人に見てほしいのではなく、出会うべき人に出会いたい。そういう想いだった。不思議なもので、そうするとゆっくりと与論縁、奄美縁、琉球縁と縁は広がり、自分のように感じる人は自分だけではないということも分かったし、本を書くという機会にも恵まれた。本にするときは、まともな文章にする場をいただいたと思った。
白書では、あなたにとってブログって結局何ですか?という問いがある。このブログについていえば、ぼくには、精神安定剤だ。これが、与論や奄美、琉球へとつながる通路なのだ。
「もしあなたが天国に召されたとき、自分のブログをどうしたい?」。
ぼくに望みがあるとしたら、大きくなったら、子どもたちに読んでほしいということだ。それだけである。
少し感傷的なのをお許しください。子どもの誕生日に、白書の問いかけが合って、つい、書いてしまった。
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コメント
おはようございます。 確かに、精神安定剤になります。 私は高校の頃から書き始めた日記らしきものの延長となっているようだ。
感じたこと、そのとき思いついたことを文意など考えず気ままに書くことで、憂さ晴らしをしている。 孫に読んでもらいたいとの希望はある。
やっと、教育委員会発行の教育委員会だより「誠風」第166号で
「奄美自立論」 喜山 荘一が紹介されました。
「新成人への期待」 新春の講話を楽しみにしてます。
ちなみに、「誠風」第一号は平成3年5月15日発行
教育長 喜山富三 「新しい年度にむけて」です。
66号まで綴ってありますが、「ドゥダンミン」の元はこの誠風からきていると思います。
投稿: awa | 2009/12/26 04:38
awaさん
「新成人への期待」のタイトルは初耳です(苦笑)。最初は柄ではないと思いかけましたが、与論のためにという想いからすれば、念願ではないかと思い直しました。
与論でお会いできたらうれしいです。
富三うじゃの「新しい年度に向けて」も読んでみたいです。「ドゥダンミン」へとつながっているんですね。
投稿: 喜山 | 2009/12/26 09:06