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2009/11/20

すべきことは奄美の顕在化と奄美と沖縄の交流拡大の支援

 21日に予定されているらしい鹿児島、沖縄の交流拡大宣言に対し、中止を要求する会(仙田隆宜代表)が、鹿児島の県知事、伊藤あてに中止を求める要請書を、一昨日18日に提出した。

 琉球侵攻400年 沖縄と交流宣言へ 奄美の団体反対

「薩摩の奄美・琉球侵略を『不幸な歴史』と清算して、過去を隠蔽(いんぺい)し、謝罪すべき事を『交流』と称し、奄美を愚弄(ぐろう)することは許せない」

 隠蔽しているのは、過去だけではなく、過去および現在であるということが、中止の要求を生んでいる。読売新聞の記事の写真を見る限り、要請書を提出しているのは、鹿児島在の奄美出身者だ。これはぼくなどが、東京にいてものを言うのとは異なり、とてもきついことだと思う。鹿児島での日常の摩擦やあつれきを予定しながらしなければならなくなることだからだ。そうせざるをえない状況を、県は何も感じないだろうか。

 記事は、歴史に触れて結んでいる。

 薩摩藩は、琉球貿易を独占することなどを目的に出兵。琉球王国を支配下に置き、与論島以北の奄美群島を直轄地にした。

 鹿児島・沖縄両県の交流拡大宣言 奄美出身者ら中止要求

 南日本新聞は、中止要求の主体を「奄美」ではなく、「奄美出身者」としているところ、要請書の提出者について単純に触れただけかもしれないが、事態を矮小化しているようにも見える。

「交流拡大そのものを批判しているわけではない。今でも差別を受ける島の人もいる。400年の節目を安易に利用せず、歴史教育や検証をしっかりした上でやってほしい」

 この仙田さんの発言は抑制のある冷静なものだと思う。交流拡大そのものを批判しているわけではない。

 中止要求の向こう側に、提案を置くとしたら、県としての鹿児島がすべきことは二つ。400年前から非在化を強いている奄美を鹿児島のなかで顕在化させること、そして、400年前から絶った奄美と沖縄の「交流拡大」を支援すること。この二つである。これを、県としての鹿児島が沖縄に提案し、奄美大島を舞台に選ぶなら、中止の要求を呼ぶはずがない。それは、明治維新で時を止めた鹿児島の時間をふたたび進め、過剰な武士団を封じ込められた薩摩のやむなさへの奄美からの配慮を喚起させもするだろう。400年目の節目においてもなお、県としての鹿児島は自己直視をやり過ごして終わるだろうか。絶好の機会だというのに。


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コメント

沖縄の現知事は沖縄財界代表だから、財界の意に添う施策をしなければなりません。沖縄の財界は日本の財界に従わなければなりません。「普天間」の辺野古移転を最も望んでいる沖縄人は、今の県知事に違いないです。

「琉球」と「薩摩」の手打を、奄美でやるという恥知らずの儀式を催したのは、これからも奄美共々大和に従いますという沖縄県知事の意思表示でしょう。
この催しがあると知っている沖縄人は少ないのではと思われます。ネットで見る限り、今日の新報「金口木舌」に初めて出ただけです。沖縄ではマスコミさえ奄美に関心が薄いのではと思えます。

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-153072-storytopic-12.html

投稿: キー坊@沖縄人 | 2009/11/20 13:59

キー坊@沖縄人さん

沖縄県の背景が少し分かりました。ありがとうございます。

沖縄、奄美、鹿児島のどちらにしても、開催後の新聞記事で知った人がほとんどではないでしょうか。

投稿: 喜山 | 2009/11/23 12:09

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