「奄美と沖縄をつなぐ」、はじめに
イベントのパンフレット冒頭に書いたメッセージです。
琉球が薩摩の出兵を受けてから400年に当たる今年、奄美や沖縄の島々を中心に、400年の意味を問うシンポジウムがいくつも開催されています。これまでのところ、そこで語られているのは、戦闘の実態を明らかにすることや、これまで従属的な歴史として見られがちだった琉球について主体性を見出すのが特徴になっているように見えます。
わたしたちはそこに2009年の意義を感じますが、一方で、いくつかのことが気になってきました。それらは主に、歴史の現場である奄美 ・ 沖縄で開催されていること、語り手は歴史家がメインで他の声があまりないこと、また、シンポジウムの掲載記事などで見る限り、若い世代の参加がみられないこと、です。
わたしたちは次第に自分たちにも何かできないかと考え始めました。歴史家ではない者が、奄美や沖縄を離れた場所で、歴史を引き受けることに参画できないだろうか。何かをせずにはいられないという焦慮もありました。でも結局、この歴史を超えていくには、自分たちにとって切実なことから始めるしかありません。それは何か。そう考えて、「奄美と沖縄をつなぐ」というテーマに辿りつきました。400年前の出兵による島伝いの戦闘は、奄美と沖縄はつながっており、同じ歴史を共有したことを思い出させてもいます。この歴史を超えていくひとつの道筋として「奄美と沖縄をつなぐ」ことはひとつの可能性を示してくれないでしょうか。
そしてつなぐのに、シマウタほど格好の材料を提供してくれるものはないでしょう。でも、奄美と沖縄がお互いの唄と踊りを共有したことはあまりなかったのではないでしょうか。語りあうことはなおさらです。唄うだけでは物足りない。だから踊るのだ。でも、唄い踊るだけでも満たされない。だから語るのだ。ともに、語り、唄い、踊りましょう。
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コメント
今頃盛況ですよね!
行けなくて、本当に残念
一人家に取り残されたような気持ち・・・
今日のイベントの件、またアップしてくださいね
お願いします。
きっとこのコメント見るのは、明日以降ですよね
お疲れさまでした!!!
投稿: kemo | 2009/11/14 17:56
はじめまして!「奄美自立論」を読ませて頂いた一ファンです。
イベントには参加出来なくて残念ですが、沖縄より応援しています!
チバリヨー!
投稿: 平良彩 | 2009/11/14 18:10
kemoさん
来れなくて残念でした。ぼく自身はとても楽しめました。来てくださった方が得るものがあったのを祈るばかりです。
平良彩さん
コメント、励ましありがとうございます。沖縄の方の感想もお聞きしたいですね。
投稿: 喜山 | 2009/11/15 22:21