「七島灘に感性の断裂線」
幸いなことに、安達征一郎の講演について、南海日日新聞に載っていた(10月27日)。
記事によれば、直木賞の二度の選外は「非常に不満」だったこと、「日本文学は長く読んでいない」と語ったと伝えている。長く、作家の心の傷になったことが、わかる。
また、こう語った。
安達さんは自身の初期作品で出現した、文壇と奄美の対照的な評価例などを挙げて、「本土の人は悪意があって分からないのではなく、奄美の感性が七島灘を越えるのが難しかったのだろうと思っている」と語った。
現場に居合わせていないので、この真意は推し量らなくてはならない。本土と奄美の感性は、七島灘に断絶線を挟んでいるということだろうか、奄美の表現が七島灘を越える普遍性を持てなかったということだろうか。後者のように思うのだが、選外の傷心を思うと前者のようにも思える。でも、どうあれ、ぼくたちがかみしめるべき言葉だと思う。『奄美自立論』は七島灘を越えることができただろうか。
ハンサムさんである。
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