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2009/09/30

『わが奄美考』

 甲東哲。きのえとうてつ、と呼ぶ。沖永良部島出身の教職者。87年に生涯を終えている。その甲さんが残した文章をまとめたのが、『わが奄美考』。この6月末に上梓された。

 ぼくの見誤りがなければ、ここには1960年から1987年までに発表されたエッセイが収められている。『わが奄美考』の特徴は、奄美大島や北部に考察の対象が限られることなく、南部にも及んでいることだ。言葉にしても島唄にしても、北を考察するときは、必ず南も視野に入れる。これは、甲が沖永良部島の出身であることが大きく寄与しているだろう。でも、視点が複眼的なのは、奄美について複眼的になっているだけではなく、奄美自体を考察するときも、本土と比較することにも現われている。複眼的であるということを、甲は自分の方法にまで高めているのだと思う。

 それとつながると思うのだが、もうひとつの特徴は、奄美の島人としての自分も、確かにそういうところがあると思える小さな気づきを通り過ぎることなく書きとめていることだ。だから、ぼくたちはひょっとしたらこれは奄美の特徴かもしれないと一瞬思って忘れてきたことに思い至ることができる。

 『わが奄美考』は、「心・方言・島唄」と考察の対象が広いというだけではない。視点が複眼的で肌理細かいのだ。

『わが奄美考―奄美の心・方言・島唄』

Wagaamamikou

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コメント

甲東哲さんは、和泊中学時代に親父の年代が習ったと聴いた事があります。

永良部の方言を本にもされてて、今の方言の知らない世代である自分には、大変貴重になってます。

島ムニの衰退を見据えた先見性に尊敬します☆

投稿: 入村 | 2009/09/30 18:45

入村さん

コメントありがとうございます。
ぼくなどは学校が同じだったら、習う機会があったかもしれないなと思いました。

甲さんのような先輩がいると嬉しいですよね。

投稿: 喜山 | 2009/09/30 21:43

ビートルズからここにきたんですが、何か関係ありますか???

今僕は47才ですが、高校1年の時、神戸からフェリーで友達4人と与論島へキャンプに行きました。
僕の思い出の中ではベスト3には入ります。
港に着いた時はしばらく、体が揺れてました。
着いたのは真夜中でした。

キャンプ場がどこだか全然わからなくて、さまよっていたら、タクシーの運転手さんが、乗せてってあげるといってくれたので、お言葉にあまえました。

しかしどんどんひと気のない方へ(汗)
身包みはがされる~と思ってたら、無事、キャンプ場につきました。しかもお金いらないって!
なんて与論島のひとはいい人なんだ~と感激!
そして暗闇の中海へ、そこにあったのは、愛知県の僕らには、信じられない光景でした。
月明かりでもはっきりわかりました!海が透き通ってる!みんなで海に飛び込みました。来てよかった~!
あの海は今もあのままなのでしょうか?
もう30年くらい経ちました。

僕の友達のジョンレノン信者です。
一度覗いてやってください。
もしここが何かビートルズと関係あるのなら。
凄くいたずら好きですが、繊細なヤツです。
なんかジョンとダブります。

なんと彼の奥さんの名前、YOKO です。
(このことは内緒にしてくださいね。何故か嫌がります。)

http://d.hatena.ne.jp/outsider-records/
羽床研二(はゆかけんじ)

投稿: 羽床 | 2009/10/01 14:06

「わが奄美考」、なんとなくスルーしていました。
今日、楠田書店で購入、読み始めてます。
なんていったらいいんでしょうね。島々を飛び交う鳥の視点のような。
決してシマの悪口でもないし、でも見落としている部分を丁寧に拾っているというか。
20年前の本、ではなくて今でも十分通用する内容だと思います。

投稿: mizuma | 2009/10/01 18:19

羽床さん

> ビートルズからここにきたんですが、何か関係ありますか???

はい。同じ人が書いています。

> あの海は今もあのままなのでしょうか?

珊瑚はピンチですが、澄んだ海はあのままです。
いつかまたいらしてください。

ブログも拝見しますね。
コメントありがとうございます。

投稿: 喜山 | 2009/10/01 22:25

mizumaさん

> 20年前の本、ではなくて今でも十分通用する内容だと思います。

同感です。古くない、ですよね。
甲さんの考察は本質的だなと思ったり、奄美は何も変わってないということなのかと思ったり、行ったり来たりです(苦笑)。

投稿: 喜山 | 2009/10/01 22:29

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