「サンゴの川」
中村喬次による、宮古の地名ウルカ理解。
同姓で真っ先に思い出すのは宮古のウルカ集落である。「あそこは村の8割方が砂川姓だよ」と聞いた。30年前の話である。今はどうなんだろうと、友利研一自治会長に電話で聞いた。
ウルカは旧城辺町の海寄りの集落。砂川と書いてウルカと読む。現在冊用260世帯。宮古島市の集落では大きい方だ。その6割方が砂川姓だという。(中略)
ところで、このウルカという集落名、最初聞いたとき、ピンと来るところがあった。ウル石とかウル墓、ウル割りといった言葉は、子どものころ耳になじんだ。同じウルなら、サンゴの川! なんとすてきな名前かと思った。
ウルカ集落に砂川という川が流れているわけではなかった。宮古は全島真っ平らで山と呼べる山がないから、生活用水はもっぱら洞窟の地下水に頼っていた。「ウリガー」とか「カー」と呼ばれる。ウルカには「アマカー」と呼ぶ洞窟があるが、それを称してウルカと言っているのでもない。集落の前に横たわるサンゴ礁こそウルカの由来だった。サンゴが砕けて白砂になり、それが川のように延びている、そんなイメージが、僕を詩的興奮にいざなうのだった。(中村喬次「南海日日新聞」6/24)
これは素敵な理解だと思う。ありうると思うけど真偽を判断しきれない。けれど、そうあってほしいと思う地名意味だ。珊瑚の川のウルカ。地勢の特徴を言うことが、詩にも通じた稀有な例だと思う。
ぼくのいとこ叔父は、夜空の星を皆既日食という太陽と月の交わりが生んだ子どもたちだと言っていた。こちらは正真正銘のロマンテシズム。
明日は、カルチュラル・タイフーンだ。
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