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2009/07/06

雑誌「中部財界」『奄美自立論』書評

 雑誌「中部財界」、「注文の多い本のレストラン」に載った『奄美自立論』の書評。

 ん~。継はぎ感を否めないけれど、あり難い。

 緑の大地に覆われた島、奄美。世間一般のイメージは、青い海とサンゴ礁に囲まれた南の島のイメージである。琉球文化圏のため、沖縄県と勘違いをしている人も少なからずいる。奄美は鹿児島県だ。
 奄美に住む人は「奄美は琉球ですか」と聞かれると「鹿児島だ」と答え、逆に「鹿児島県ですか」と問われると、違和感を覚える人が多い。
 この著書では、奄美に関する疑問や、課題を島の歴史に基づき、奄美出身(与論島)の著者が、薩摩と沖縄に正面から向き合い、これまでにない奄美論を展開している。
 時は四〇〇年前、琉球が薩摩に侵略されることに始まる。一六〇九年の三月四日、薩摩の軍勢は琉球を侵略すべく出航。当時琉球支配下にあった南西諸島は約一ケ月で侵略される。トカラ列島を経て、奄美大島北部の笠利湾に着き、戦闘が始まったのが七日。その日以来、奄美は言葉を失ってしまった。
 奄美はそれ以来「琉球でもない」、「大和でもない」と二重に阻害されてきた。書はその「二重の疎外」の構造と由来を追い、それをどのように克服するかを、各地で出自を隠すように生きてきた六〇万奄美同胞に提起する。同時にそれは、国内植民地としての奄美の現実を広く明らかにするものでもある。
 奇しくも今年の七月二十二日皆既日食が奄美市で観測される。日食以外にも歴史も観測されるのではないだろうか。


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