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2009/05/05

「北の七島灘を浮上させ、南の県境を越境せよ」

 今日は、7月5日の文化台風(Cultural Typhoon 2009)、「奄美から問う〈薩摩侵攻400年〉」での発表骨子の提出期限。提出した要旨文(2バージョン)を載せます。


◇「北の七島灘を浮上させ、南の県境を越境せよ」(短バージョン)

四百年前を起点にした奄美の困難は、「奄美は琉球ではない、大和でもない」という二重の疎外である。その根底にあるのは、奄美が隠された直接支配地だったことだ。そこで奄美は、北からも南からも、存在しないかのような存在と見なされてきた。現在、それは「奄美は沖縄ではない、鹿児島でもない」と更新されている。二重の疎外は依然としてぼくたちの課題であり、そうであるなら克服されなければならない。求められるのは、島を足場にし島に止まらない奄美の語りである。針路はこうだ。北の七島灘を浮上させ、南の県境を越境せよ。


◆「北の七島灘を浮上させ、南の県境を越境せよ」(長バージョン)

四百年前を起点にした奄美の困難は、「奄美は琉球ではない、大和でもない」という二重の疎外である。その根底にあるのは、奄美が隠された直接支配地だったことだ。そこで奄美は、北からも南からも存在しないかのように見なされてきた。たとえば鹿児島の政治家、山中貞則は四百年前を謝罪するが、その相手は沖縄であって奄美はネグられる。また沖縄からは時に奄美は大和/内地と言われてしまう。そこで二重の疎外は、「奄美は沖縄ではない、鹿児島でもない」と更新されている。それは依然としてぼくたちの課題であり、そうであるなら克服されなければならない。求められるのは、島を足場にし島に止まらない奄美の語りである。そのとき、鹿児島を黒の文化として語る原口泉が奄美も一緒くたに黒と見なす頬かむりには、両者に深い境界があることを告げねばならず、沖縄と奄美の不要な壁は取り除かねばならない。北の七島灘を浮上させ、南の県境を越境するのだ。

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コメント

多田治氏のブログで沖縄タイムスに掲載された6日の記事が読めます。
http://d.hatena.ne.jp/tada8/20090506
カジノを核にする構想がまだあるんですね。
包み込みか。

七島灘には動物学者が引いた「渡瀬ライン」というのもあるんですね。
沖縄にマングースを持ち込んで生態系を壊した学者。

タイフーンへのメッセージ、刺激的です。

投稿: kayano | 2009/05/07 09:52

kayanoさん

多田さんの記事、教えていただきありがとうございます。カジノ構想は、心理的な距離感、大きいですよね。

それからそうそう、渡瀬ラインは琉球弧を形づくる重要なラインをなしています。その人がマングースも持ち込むのですから、皮肉なものです。

> タイフーンへのメッセージ、刺激的です。

はい。共感が得られるか分かりまんが、提案してみたいです。

投稿: 喜山 | 2009/05/07 21:05

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