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2009/03/01

高神型と来訪神型

 一つは「高神 High God」型と呼ばれるものです。この神は「いと高き所」にいる神と考えられています。また階層構造をもった「天」の考え方と結びつくことも多いために、「天空神」と呼ばれることもあります。この神について思考するときには、垂直軸が頭に浮かんできます。高神自身が高い天上界にあると考えられるときには、その神を人間が呼び求め祈りを捧げるときには、人間の心は「いと高き所」をめざし、そこから降りてきてくれることが求められます。すると、このタイプの神は、山の上や立派な樹木の梢に降下してくれると、考えられているのです。
 もう一つのタイプは「来訪神」型とでも呼ぶことができるでしょう。「高神」型の神について思考するときには垂直軸のイメージが必要でしたが、「来訪神」型の神の場合には、海の彼方や地下界にある死者の世界から生者の住む世界を訪れてくるために、水平軸のイメージが必要となります。このタイプの神は、降臨してくるのではなく、遠い旅をしてやってくるという形をとることが多く、出現の場所も洞窟や森の奥といったほの暗いところに設定されています。
 二つの類型の神の違いを、対照表にしてまとめてみましょう。(『神の発明 カイエ・ソバージュ〈4〉』

Highgod1












 海蛇神としてのエラブは高神的であり、シヌグ、海神は、来訪神である。高神型と来訪神型という神の二類型の考え方は、琉球弧のなかに素直にサンプルを見出すことができる。

 そして高神、来訪神を踏まえれば、奄美、沖縄のケンムン=キジムナー、与論のイシャトゥーなど、無数に存在する琉球弧の精霊たちの存在はすぐのところにある。

 ところで、与論でここにいう高神に該当する場所を探そうとすれば、真っ先にウガン(御願)が思い浮かぶ。しかし、ここは、高神の場であるように見えるのだが、そこはムヌが潜んでおり、シヌグのときもウガン(御願)は拠点になる。シヌグは高神というより来訪神的であることを考えると、ウガン(御願)は、高神的でもあれば、来訪神的でもあり、精霊(ムヌ)たちもあり、まるでそれらが未分離の状態を維持しているように見えるのが不思議であり分からないところだ。

 「高神としての御願」



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