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2009/03/23

「但し、御見賦の中から四万斤余の引きこみとなり」

 こんどは少し後の文久元年(1861)年のこと。

一筆書いて申し上げます。まず以て
尊公様ますます御機嫌よくあらせられ恐悦至極に存じます。次に当島において私も異状なくすごしておりますれば恐れ乍ら御意を安んじ下さいます様思召し下さいませ。それで、先頃の便からめずらしい素麺をことさら御国許鹿児島からお取りよせになり御下しあそばされ有難く頂戴いたしました。それで先頃の中寛の帰帆便で早速御礼状をさし上げ度く手紙を認め(書いて)右船の出帆の当日船元え差しかえ申しましたる処まにあわず今となって誠に以て恐れ多い次第で何とも申し上げようがなく思っております。御ゆるし下さるよう御願い申し上げます。先月廿六日の中寛帰帆の当日、住徳丸え砂糖の掛渡し方(陸から船えの渡し)を命ぜられ翌日まで都合六百六十五丁の掛渡しがすみ、今月二日にはすべて積み込みが終るつもりですけれども、雨天の為め三百挺余を積み込み明後日には上荷まですべてを積み込んで、追々順風次第鹿児島へ登る(上帆)のつもりでございます。

 まず、鹿児島から「素麺」が送られたことへのお礼。で、2月26日に住徳丸に黒糖の積み込み。27日までに都合665丁の積み込みを完了。3月2日までにすべて完了の予定だったが(?)雨天のため300挺余りを積み込み、6日までにはすべて積み込んで追々順風になり次第、鹿児島へ上る予定。と、そんなことが書かれている。

そのようでございまして当島の砂糖製造の事は今月十五日内でみなみなすべてを終る筈でございます。但し、御見賦の中から四万斤余の引きこみとなり当分のこころあてには十六万斤佐の見賦りになり、詰役様を始め島中大変困っている次第でございます。自作の黍地の事も六百八十見賦りの内から旁ら□切り等があって百斤余も引きこみとなり、この上もない凶事が入ったと申している次第でございます。もっとも自作糖の初も早便で鹿児島に登せたいと存じておりますけれども、御免丁数の小樽の件も御伺い申しあげにくい状たいで、自然と御物も跡船から差し登せたいと存じます。恐れ多い事と存じますが、そのようにお考えいただきたく存じます。

 与論の黒糖製造は3月15日までにすべて終わる予定だが、見積もりからは4万斤足りず、16万斤の見積もりになり、詰役はじめ島中、「大変困っている次第」である。

 「南嶋雑集」によれば、1863年は23万斤製造されているから、その2年前は、20万斤が見積もられ、16万斤の製造結果になる見込みであったことが分かる。 

そしてまた、思いがけなく稀に御下島遊ばされましたのに、こかまで何事についても不行届きではや上国も近寄り今となって誠に恐縮に存じています。来月初め頃には両人のうち一人を参上させたくその為の御暇乞いを申し上げたいと存じておりますので、恐れ乍らそのようにお考え下され度く存じます。また住徳丸から御国許え詮立の品等も鹿児島へ登せ御礼申し上げたい事は山々ですが、此の節便からはその事もととのわず、ことに御敷用備後莚を調えて差し登せたいと思っていますけれども、去年の夏作りのものまで不作で調へる事が出来ず、お粗抹で軽少でありますが、諸目莚一束ツツ、この度の住徳丸で手紙のしるしまでに差し上げたく存じておりますので、恐縮ですがそのようにお考えになるようにお願いします。なお跡船から都合をみて差し登せ御礼を申し上げたく存じます。右は、右御礼勇また御機嫌窺いを申し上げたく各様まで愚札を呈しました。そこでおきまりで軽少で恐縮に存じておりますが、干肴小包一を進上し差しとげ中しまりので、御受納遊ばされ下さいますようよろしくお願い申し上げす。なお後便での喜びをおまちしております。恐惶謹言

酉三月四日
猿渡彦左衛門様     御役人衆

 こまごまと恐縮しきっているが、「莚」や「干肴」を送ると書いている。

 関心を惹くのは、奄美のなかで牧歌の余地を大きく残した与論も、惣買入が始まった途端、見積もりより足りないということが問題になり始めていることだ。


 

 

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