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2009/01/27

「鈍」は「港」か

 「どぅなん」、つまり「ゆなん」とのアナロジーから、「諸鈍」を、「汐」が「寄る」と解したら、琉球松さんに「鈍」は「港」では?とアドバイスされ、なんかそれがいい意味で引っかかっている。

 「どぅなん」と「諸鈍」 

 琉球松さんの指摘は、

「鈍(トン・トゥン・ドゥン・テン・ティン・ティヌ・テム・ etc 」は牧野哲郎さんの仮説を参考にすれば「港」ではないかと思います。

 「鈍」は「港」だろうか?

 与論島で、「港」を意味するのは、「供利」と『めがね』の浜の「トゥマイ」だ。

 供利は、方音:トゥムイだから、

 トゥムイ:tumui
 トゥマイ:tumai
 
 両者の「u」「a」は、同一行内の転訛として理解できる。

 母音は重合すると、長母音化するから、

 ui > u:, i:. ai > o:, e:

 であり、すると、

 tumui > tumu:, tumi:
 tumai > tumo:, tume:

 これが、母音の重合として、こんどは促音便化すると、

 tumui > tumu:, tumi: > tumm
 tumai > tumo:, tume: > tumm

 となり、

 tumm > tun

 と撥音便化すると想定してみると、トゥムイ、トゥマイは、「トゥン」になりうることになる。

 もうここからは、琉球松さんの挙げた「鈍(トン・トゥン・ドゥン・テン・ティン・ティヌ・テム・ etc 」は射程圏内だ。
 この考え方が魅力的なのは、

喜界「嘉鈍」、奄美島「宇天・一屯(イットン)・屋鈍・管鈍・花天」、加計呂麻「諸鈍」、沖縄「汀間・天仁屋・一名代(ティンナス)・運天・天願・馬天」

 の意味が分かるとともに、大久保さんに教えてもらった加計呂麻の「花富(きーどぅん)」にも通じる。
 そして、竹富島(てぃーどぅん)の意味に届くのではないかと思うのだ。



 

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コメント

 「トマリ」と繋がる。。。これはワクワクしますね。
 「ティン・トゥン etc」は「トマリ・トゥマイ etc」の短縮型と言えるでしょうか?

 それと、「~富」系地名もあやしいですし、宮古島の「友利」ももともとは海岸線の部落ですね。

投稿: 琉球松 | 2009/01/28 15:26

琉球松さん

遅くなってごめんなさい。

トゥマイ、トゥマリからはティンやトゥンへの転訛は想定できると思います。

「友利」はトゥマイ系でしょうし、確かに「~富」系も確かめてみたいですね。

投稿: 喜山 | 2009/02/01 18:43

メガネのロケ地のひとつの浜は、ウァーチで、トゥマイは、ふよこ美容室あたりだそうです。昔は茶花漁港あたりも海中だったので、ありえます。90歳の祖母に確認しました。

投稿: パンカタワラビ | 2010/02/18 20:32

ちなみに、沖縄史でトゥンはほこらを意味し、神をまつる神聖な場所の意味であることは、ご存じですよね?

投稿: パンカタワラビ | 2010/02/18 20:35

パンカタワラビさん

ああ、ほこらの可能性もあるわけですね。
教えてくださりありがとうございます。

投稿: 喜山 | 2010/02/21 18:26

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