「与論島まるごと博物館」、開設
盛窪さんの「与論島まるごと博物館」が開設された。嬉しい。
これは、ブログではなく、ブログもついたウェブサイトだ。
メニューにある「与論島体験ツアー」。こういう案内を作ってほしいとひそかに思ってきたので、待ってましただ。与論に行って見たい方で、青い海、白い砂ばかりじゃない与論を味わってみたいなら、盛窪さんを訪ねるのがいい。歴史と民俗の深さを伝える語りと、望めば島の言葉も繰り出せる口調と、島人の祈りの姿が伝わってくる挙措と、忘れずにやってくるユーモアは、余人を持って替えがたいと、ぼくなどは思っている。
「与論島ウンパル学校」、「パーマカルチャー農法」は盛窪さんのライフワークだと思うし、「昆虫」「植物」とか、島の自然を生き生きと教えてくれるだろう。写真を撮るだけではない。盛窪さんは、オオゴマダラだって、植生に配慮しながら復活させてくれたのだ。
遠き地で勝手なことを書いているぼくなどには、どこまでも歩いてゆける脚力で、大事な場所を訪ね、古老の言葉に耳を傾け、島の時間の奥行きを紐解いてくれる盛窪さんのような存在は、頼みの綱なのだ。酒に負けてほしくはないけれど、盛窪さんの文章は、薄暮の与論というか、あの、夢か現かわからぬところへ誘ってくれる。遠野には佐々木喜善という語り手がいたからこそ、柳田國男の『遠野物語』はできたとすれば、与論の佐々木喜善は盛窪さんだと思う。
「与論島まるごと博物館」のこれからの展開が楽しみだ。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント