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2008/05/29

「『復帰運動』の結束力に学ぶ」

 奄美大島は、沖縄または小笠原諸島ほど戦略的に重要ではなかったために、割合早く返還されたことは確かである。しかし同時に、以上の文書が物語るように、署名運動、復帰運動、断食などに見られる、奄美群島の住民たちと本土にいる奄美大島出身者の結束力や運動力、知恵は、奄美群島の早期返還に欠かせなかった。というよりむしろ、そのことこそが決定的な要因の一つになったと言ってよい。
 奄美の方々は、その歴史を誇るべきであり、そして評価すべきである。同時に今後、振興・経済政策、過疎化対策、観光産業の内容充実化、人材育成、大学の設立など奄美群島が直面している問題に挑戦するとき、「復帰運動」で発揮した結束力、運動力を是非とも活かして欲しいと期待している。(『それぞれの奄美論・50』

 ときに日本への優れた洞察を見せてくれるアメリカだけれど、この文章はそれには当たっていない。奄美が日本復帰になだれ込んだのは、それだけ追い詰められていたからである。経済的にというだけでなく、日本人として追い詰められていた。見かけは「結束力、運動力」でも、内実は顔面蒼白の焦慮というほうが当たっている気がする。

 「奄美大島は、沖縄または小笠原諸島ほど戦略的に重要ではなかった」などと、何事につけ重視されない奄美のよさを生かすには、「結束力、運動力」の強迫からは離れて、ゆったり構えたほうがいいと思う。

 ロバートさんの問題意識を引き受けると、「復帰運動」から学ぶべきものは何だろう。それは、「結束力、運動力」というよりは、奄美として統一的な行動を取った経験値が、その半面あらわにしてしまった、沖縄との別れ、復帰とともに霧散した文化運動などの、自失への内省から得られる何かだ。


「『復帰運動』の結束力に学ぶ」ロバート・D・エルドリッヂ



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