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2008/04/07

時勢の流れのままなら、奄美は九州入りでしょうか

 奄美にとっての道州制を考えてゆくと、でもこのまま自然の流れに任せれば、あのいつもの諦念的無関心によって、奄美は鹿児島の黙殺的付録のまま、九州(州)の端を構成することになるのかもしれません。

 「ゆ(世)」はいつも勝手に向こうからやってきて勝手なことをしていく。でもそのことが一体、わたしに何の関係があろうか。そう言いたげな島人の態度からすれば、琉球と言われれば琉球といい、薩摩といわれれば薩摩といい、アメリカといわれればアメリカといい、鹿児島と言われれば鹿児島と言ってきたように、九州と言われれば九州と言うのかもしれません。

 それでは、二重の疎外を生む構造は解けないまま残りますが、それでも、「鹿児島」が「九州」に代わる分には、疎外は緩和され、楽になるのかもしれません。九州(州)となれば、与論や沖永良部の島人が移住した口之津も、与論の島人が苦労した大牟田も近くなるというものです。

 こうなった場合、奄美諸島のなかに、「日本人になる」という願望が潜在しているとしたら、それが「鹿児島」県下にあるときよりも満たされるのもしれません。大宰府にちなんで「九州府」と名づけようとする議論もあるくらいです(「九州府」『道州制』)。奄美諸島が日本史と関係を持つとき、その本土側の結節点として登場するのは大宰府ですから、奄美諸島の歴史を既成の日本史のなかに組み込むには都合のいい面も出てくるでしょう。

 しかし、こう書いていくうちに、ぼく自身は気持ちが萎えていくのをどうしようもありません。奄美の九州入りが奄美諸島の総意だとしたら、従うほかありませんが、ぼく自身は亜熱帯ヤポネシアの価値を根拠にした琉球州と、その中でも、ある固有の役割を担う地域としての奄美というポジショニングの可能性を考えていこうと思います。それに仮に九州(州)になっても一巻の終わりというわけではありません。そのなかで改めて二重の疎外の現れ方とそれを解く方法を探るでしょうし、奄美の負けない論理をつくろうとするでしょう。そして、とどのつまりそれは、琉球州の道を辿ったとしても同じことで。す。どちらにしても、奄美とは何か、それに答えることが大切なのに変わりはありません。

 何だか自分に言い聞かせる記事になってしまいました。




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コメント

 クオリアさん

 九州は、どこにあるのか?なぜ、九州なのか?
と、台湾を旅しているときに聞かれました

 廃藩置県で九州は七県と沖縄県ですよね
九州だとされている七県と奄美県と沖縄県とで
九つになって勘定は一応合っているように思えま
すが、それでももっといい仕組みがあるのでしょ
うか?

 麦屋とアガサ、・・・どころか大隈と薩摩と日向と
の差異を考えると、名瀬と花富・・・、知名と和泊と
与論と・・・、伊仙町の政(まつりごと)・・・
さらには原発誘致をと試みる思いの深刻さなどなど
奄美がことさらにではなく、沖縄がどうとかではなく、
とはいえ、ユンヌの行く末は与り知らぬと云い放しで
はいけませぬ、かといってどうしましょうか?

 与論の島に、今現在住んでいる人が「ユンヌンチュ」
であって、ずっと昔住んでいた人は「ユンヌ太郎」で
10年、20年・・・先の与論島に住んでいるピチュンチャ
ーのことはワーナサンドでは淋し過ぎやしませんか?

 道州制に求められているのは何なのでしょうか?
自立と依存の関係でしょうが、サトウキビを食べて人が
生きていけるわけでもないし、かといってパンのみにて
石炭を食べて生きていけるわけでもなし・・・
ナビヌスクナカニ グクヌタマル
武士は食はねど高楊枝では、どうにもならないでしょう
から、節義廉退というか謙虚な「誠(実)」の心を磨き
直すことが与論の島に求められているような気がします

 「永遠の故郷(とわのふるさと)ユンヌ島」

  故郷の海蒼く 故郷の空青く   
  はてしなくひりがり・・・・
  
  がらにもなく、唄いたくなりました

 与論の人口より牛の頭数が増えていると思って、勘違
いでもなかったはずですが、ユンヌンチュは牛よりも少
なくなりましたねと云ったところ、いや牛よりも人口の
方が多いとその数を****人と++++頭だと具体的
に述べて怒ったように反論されたのには戸惑いました

 どうでもいいことのようで、そうでもなくて・・・
ユンヌちゅる島や・・・ミジラシャイド

投稿: サッちゃん | 2008/04/08 01:04

サッちゃんさん

「どうでもいいことのようで、そうでもなくて」、
はい、そんな感じです。

「九州だとされている七県と奄美県と沖縄県とで九つになって勘定は一応合っているように思えます」。この解釈、びっくりしましたが、なるほど、こういう開き直り方もありですね。

投稿: 喜山 | 2008/04/09 09:15

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» [島日記]道州制で奄美の未来はどっち? [あんとに庵◆備忘録]
与論島クオリアの喜山さんがずっと問い続けている。 http://manyu.cocolog-nifty.com/yunnu/2008/04/post_c818.html ■時勢の流れのままなら、奄美は九州入りでしょうか 先日ヤマト運輸でのトンでもな一件を書いた。 我が島は鹿児島の端。鹿児島県の県庁所在地からもっとも... [続きを読む]

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