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2008/04/10

事故の事実・背景を知りたい

 南海日々新聞への投稿記事。長くないので、全文引用しよう。

 「交通事故原因の調査、報道を」 喜山 康三

 与論空港の敷地内道路で三月二十四日、重軽傷者七人が出る交通事故が発生した。車は花壇を乗り越え、フロントガラスはクモの巣状にひび割れていた。死者が出なかったことが不思議に思えるほどだった。

 現場にいた知人の話によると、当時は道路上に警察のパトカーや一般の車両が駐車し送迎人も多く、非常に混雑していたとのこと。事故発生場所は駐車禁止であるにもかかわらず、イベントや転勤に伴う歓送迎が頻繁に行われており、「交通事故の心配がある」と一部から指摘されていた。

 新聞報道は運転者のアクセルとブレーキのミスによる事故としているが、これだけの多数の方が事故に巻き込まれたのは、駐車禁止場所で公然と送迎が行われていることも原因ではないのか。当日は幹部派出所長の送迎も行われている。パトカーには駐車違反はないと思うが、事件や事故捜査とは関係のない、送迎でパトカーを駐車させていることは問題ないのか。事故後の対応に不信感を募らせている住民もいる。

 事故にはさまざまな要因がある。客観的に読者が把握できるよう、当局の発表をそのまま報道するだけでなく、一定のチェックを行い、報道する「取材力」が求められている。駐車禁止場所で送迎を行った警察当局だけでなく、報道の在り方にも強い疑念を抱く。(「南海日々新聞」2008年4月7日)

 わが島で先月、七人の重軽傷者を出す事故が起こっている。七人のといえば、島では大事故だ。いや、島でなくたって、大きい。自分が遠いところにいるせいもあるが、事故が起こったことを、こうして教えてもらわないと知らないまま過ぎてしまうのが、何とももどかしい。

 また、この投稿記事だけでは、事故の事実関係がはっきりつかめない。「事故後の対応」への「不信感」とは何なのか。駐車禁止場所のパトカーとこの事故に関係はあるのか。「幹部派出所長の送迎」と事故とは関係があるのか。事実を知りたい。

 投稿記事は、新聞報道の在り方へも批判を加えているけれど、これを突破するひとつの力は市民ジャーナリズムだと思う。チベットの市民暴動やミャンマーの軍行動をつぶさに伝えてくれた一端が市民ジャーナリズムであったように。ぼくがも現場居合わせたら、すぐに観察した事実をブログに記述するだろう。

 これだけの情報量ではまだ何も言うことはできない。しかしどこに何を求めたらよいか分からないが、事実関係ははっきりさせてほしいと思う。そして、重軽傷者へは運転者のミスで済まされるのかそうでないのか、明らかにしてほしい。もし、万が一にも島だから的扱いが潜んでいるとしてら黙するわけにいかないからだ。

 われわれは、アネッタイ・アイランドで純粋培養された世間知らずかもしれないが、わが島はもはやサイレント・アイランドではないのだ。



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コメント

事故のあった後、空港でのセレモニー禁止の案内が、防災無線で流れましたが、後日空港へ行ってみると、どういった経緯かは判りませんが、空港建物の前の道路を車両通行止めにして、堂々とセレモニーができるようになっているではありませんか。
空港の敷地内道路はもちろん一方通行。
そこを通行止めにしてしまったら、いったいどこへ車を進めてよいのでしょう。
大々的にセレモニーをやっているその傍らで、車がが逆進している。
全くもって、考えられません。
投稿にあったよう、以前から交通事故の懸念はあり、その中で起こった事故。
事故を起こした者だけではなく、他にも多く反省すべき点があるはず。
セレモニーには、もちろん子供達も多く参加しています。
警察、空港、学校、保護者の方々、もっと考えるべきではないでしょうか。
ちなみに、駐車禁止の場所で行われていた幹部派出所長の送迎の方々が事故にあわれたのです。

投稿: s_mile | 2008/04/10 18:53

 クオリアさん

 与論島に住んでいる人で、満州の拡野やサイパンの
果てでの先人の苦難を知る人たちは、話だけでも知る
人さえ少ないでしょうね

 今は昔、「狭い日本そんなに急いでどこへ行く」と
いう看板が日本国中に立てられていました
「狭いユンヌの島で そんなに急いで何をする」のか
はたまた、「ユンヌの島で 車に乗ってどこ行くの?」

 車が人を舐めてるのか、人が車を舐めているのか・・
与論の島ぐらいは、人の世では通用させてはならない
ミンギヌ的な基準をシマンチュの力でつくることが、と
思います

 与論だけでなく、日本だけでなく、世界中の空港が
キーンとした無機質さにあるのはなんでしょうかね
与論の「港」は、空であれ海であれティヌグイ打振り
打振り・・・と、また会う日を念じたいものです

 クオリアさんの迫力についていけそうもありません
が、ガンチ キバリバドゥ ナユイドウ

投稿: サッちゃん | 2008/04/11 02:07

>s_mileさん

コメントありがとうございます。
一旦セレモニー禁止にしたものの、また元に戻して、駐車禁止を強化したということでしょうか。

ことがうやむやのままに消えてしまわないことを願います。また、新しいことが分かれば、ぼくここに書いていこうと思います。


>サッちゃんさん

「与論の島ぐらいは、人の世では通用させてはならない
ミンギヌ的な基準をシマンチュの力でつくる」。大賛成です。がしどぅなゆい、と思います。

投稿: 喜山 | 2008/04/12 19:34

この事故、双方に親戚がある人から話を聞きましたが、心情的にも難しい事故だったと思います。事故に遇った方も、事故を起こされてしまった方もなんとなく知ってます。ゆえに他人事ではなかったといいますか。

この事故は東京的な車感覚でない島ののんびりさが生んだ事故だったんですよ。

なもんで、こう投稿の文面のように、ぎりぎりいわれるとか別な方向に大事な問題を追及していくとか、そういうの困る側面もあるだろうなぁとは思いますね。事故おこした人がなにより可哀想だなというか・・・。島の場合その辺りが難しいです。

警察関係者がいたからどうとかは関係ないでしょう。こういう時、鬼の首を取ったように警察がどうこうと持ち出すのは激しく好きじゃないです。公的な送迎は色々な場面であります。どローカルなよさがこういう時あだを為すというか、いちいち細かい。うるせぇな。とか思いたくもなりますけどね。正直、警察をかばうほどの縁はないけど、こういうどさくさまぎれの突っ込みのし方はどうも好きじゃない。なんでも公権力に文句垂れればいいという考えが物事の責任所在を曖昧にしてしまうことにいい加減気づいて欲しいもんです。

ただ、指摘の通り、車両が入らない送迎の場という空間は必要だとは思いますね。子供とか年寄りが安心して集える空間は必要だと思います。それには車両誘導の問題をたやすく解決出来る空間は十分あると思います。ちょっとした工夫で解決できそうですよ。

但し事故は、空港の施設に納品に行った方が起こされたのですが、そういう車両は当全施設に近い場に止めざるを得ないかも。そういう場を含めて、車両禁止ゾーンを徹底しておくべきでしょうね。

投稿: あんとに庵 | 2008/04/12 20:08

あんとに庵さん

島ののんびりさが生んだということ、よく想像できます。何より当事者をそっとしておきたいのは。島、ですから。

記事では分からなかったので、警察の存在と事故と関係あるのかないのか、確認したいところでした。

ただ、事故自体は、送迎と道路を分離ができれば、それがいちばんの解決になると思います。そうできるといいですね。

投稿: 喜山 | 2008/04/12 20:56

確認出来ない書きかたをしている時点であちゃーというか、そういう疑心を煽る巻き込みかたはどうよ?的な投稿文面になってますね。情報伝達が為されていないと・・つっても、ご本人を知ってるんで、ご本人に直接言うべきことではありますな。笑)
まぁ、問題があるならきちんと5W1H、あきらかにして、ことを記すべき。こういう場面でのほのめかしは一番卑怯なやり方なのでわたくしは嫌いなんですよ。

本来の主張すべき、現時点での空港内の道路使用問題がそれではぼやけてしまいますし、第一警察関係者の送別が巻き込まれた事故なんで、彼らは被害者なのに・・・とは思ってしまいます。

投稿: あんとに庵 | 2008/04/12 23:03

滅多になく怒りたくなったのは、事故を起こした当事者をみんなが誰か知っている島だから余計なんですわ。

すでにものすごく責任感じておられて心痛の中にいるだろう時、道路の整備という根源的な問題をいうのは当然で、すごく納得出来るんですが、被害者の立場であるグループの別の問題をほじくり出してしまうってのは、なにかその心痛に追い打ちかけるような感じがして。

島の場合、正義を性急に振りかざすのではなく、最終的に正義が為されればいいので、急ぎすぎないことが重要だとは思います。だから問題提起のタイミングを気長に待つのも大切だとは思うのです。

投稿: あんとに庵 | 2008/04/12 23:13

あんとに庵さん

おっしゃること、よく分かります。島にいないもどかしさも手伝い、ぼくもいささか性急な事挙げをしたと反省しています。ぼくも本来、当事者相互について、かばう気しか無いですから。傷がきちんと修復されていくことを願います。

投稿: 喜山 | 2008/04/14 21:03

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