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2008/03/09

イイジマハンドゥーグワァ

 久しぶりに『ドゥ・ダンミン』の世界に入ってみます。心が波立つときには、昔の与論の話が心地いいですから。

 イイジマハンドゥーグワァ 子どもの頃、沖縄から来る旅芝居を祖母に手を引かれて見に行った記憶がある。那間の夜学(公民館を当時夜学といった)で公演があった。木戸銭を払って入る。演目に「イイジマハンドゥーグワァ」という実話にもとづいた恐ろしい悲恋物語があった。次はその概要である。

 伊江島の島村屋の伊江親方色館の息子にカナヒートいう若者がいた。あるとき、カナヒーは綿の買い付けのために辺土名へ渡った。辺土名滞在中にカナヒーは美女ハンドウーグワァを見染め恋仲となった。二人は若い血を燃やして青春のロマンにふけった。

 だが、カナヒーは伊江島に妻子があり、ままならぬ身の上。伊江島ではカナヒーの帰りが長引いていると身内の者は心配し、まもなくカナヒーは叔父によって島に連れ戻された。最愛のカナヒtとの仲を裂かれたハンドゥーグワァはつのる思慕の情に身を焼き、悶々の日々を過ごしていた。が、ついに思いあまって、カナヒーの真情を確かめようと伊江島へ渡る決心をした。こうしたハンドゥーグワァの一途な気持ちに同情した伊江島のシンドゥスー(船頭主)は彼女を島まで連れ帰り、親切に面倒をみてやった。

 島に渡ったハンドゥーグワァは愛するカナヒーとの再会に胸躍らせながら島村屋を訪ねた。ところがカナヒーの態度は冷たかった。あまりのひどい仕打ちにハンドゥーグワァは失望して、島村屋の向いの松林へ入り、自らの黒髪を首に巻き付けて若き命を捨てた。

 ハンドゥーグワァの亡霊が島村屋を襲うようになった。夜な夜な島村屋の家族を苦しめ、悩ました。食事をしていると、お膳が宙に浮いた。家畜も死んだ。数々の不吉な出来事のうちに島村屋の子孫は絶え果てた。反対に船頭主の子孫は代々栄えた。(沖縄村の伝説、青山洋二著、那覇出版社)全てヤンバル語で演じていたが聴衆はよく分かっていて、泣き笑いしていた。(『ドゥダンミン3』竹下徹)

 イイジマハンドゥーグワァは、「伊江島ハンドー小」という字を当てる沖縄の歌劇です。この歌劇は、念じることが世界を動かすという呪いが生き生きしていた琉球弧の世界を伝えてくれます。でも、ぼくは近所の伊江島発祥の歌劇が与論島にも芝居としてやってきた事実に、歌劇の恐ろしさとは別に、心が和みます。こんな芝居を観にいけた、竹下少年をうらやましく思います。身体の記憶として沖縄とのつながりを持っているなんて、いいですねえ。


 今日はヨロンマラソンの日。島はいまごろ、完走後の宴なんでしょうね。楽しそう。



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コメント

 クオリアさん
 
 ハンドゥーウジャンカの「アンチャメーグァー」のテープ
の昔唄を、サンシヌの合間に時折聞くことがあります
昔島唄の雰囲気には、何とも云えない味わい深いものを感じ
ます

 十五夜踊りの一番組の「三者囃子(さんばす)」は狂言の
「末広がり」の筋立てそのままの民俗芸能であったことには
初めて見聞きした時、吃驚しました

 「イイジマハンドゥグァー」には、「今は昔・・・トナム
語リ伝ヘタルトヤ」の「今昔物語集」の一千年まえの説話の
影が感じられるような気がします

 渡りシバヤーの話よりも、ユンヌのムヌガッタイや言葉や
唄はもっと興味津々ですし、面白そうです

投稿: サッちゃん | 2008/03/10 00:33

サッちゃんさん

与論では時間が溶解するので、千年前が昨日のようなリアリティが生まれるのでしょうね。

ゆんぬ・むぬがったい(与論物語)集をつくりたくなります。

投稿: 喜山 | 2008/03/10 07:26

アンチャメーグァーの歌ハンドゥーおじさんが得意と聞いていました。
 偶然、ヨロンマラソン完走記念植樹祭のあとの鍋汁を調理してくれたのは、息子のハンドゥー健でした。
 同窓生なのですよ。
鍋の接待をしてくれたのも、同窓生の美女3人でした。
 同窓生は何時までも  同窓生だ。
 
 大牟田の方とも  一緒に走りました。

投稿: わらび | 2008/03/10 13:20

わらびさん

> 同窓生は何時までも  同窓生だ。

ほんとです。(^^)

記念植樹祭、島外から17名の参加。すごいですね。与論島はどうしていけばいいのか。お手本です。

投稿: 喜山 | 2008/03/11 07:30

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