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2008/02/15

ミャンチックー

 『ドゥダンミン3』は、与論言葉の語感が楽しい。ササイレ、マチャン、グージャーに続いて心に留まったのは、ミャンチックーだ。

 ミャンチックー。

 これが、フクロウのことだなんて。教えてもらわないと、ぼくには絶対に分からない。ユンヌンチュには常識でしょうか。

 それはさておき、小正月二月十五日)には、ウンニーマイを作って食べる。食べないとミャンチックー(ふくろう)になると言い伝えられてきている。芋には、バッタイムジ(里芋)と田芋がある。ウンニーマイは、その名前の通り、芋と米を煮て、練って作る。粟やもち米を使ったりする。食べたくなくても、一口でも食べさせるために「ミャンチックーになる」と脅かす。どうしてそこまでする風習を作ったのだろうか。アダンの実や草木を菜食していた太古にあって、とてもおいしく、しかも小芋をたくさんつけ、増やすことができる。革命的新種の里芋がもたらされたときの喜びはいかばかりであっただろう。その喜びと神への感謝を捧げるために、小正月をウンニーマイ記念日にして、作った。まず神前に供え、さらに分家は本家に、妻、母、祖母の実家の神前にも供えた。今でこそご馳走ではなくなったが、飢えていたその昔はご馳走であったし、神への感謝を忘れない敬度さがあった。

 ミャンンチックーとは、顔がミャンカ(猫)の顔に似ているところからその名がついたのであろう。夜行性でホー ホーと鳴く。鳴き声は不吉の前兆として嫌がられる。夜行性だから陰気で邪鬼にさえみられてしまうフクロウは「母喰鳥」とも書かれる。食べないとそんな鳥になるというのだからよっぽどのことである。ミャンチックーにとってはいい迷惑である。(『ドゥダンミン3』竹下徹)

 だいたい与論に、ミャンチックーはいるんだろうか。それすら知らない。森もないしいそうにないけどなぁ。
 ミャンチックーを竹下先生は、ミャンカと顔が似ているからその名がついたと仮説している。ぼくは、ミャンカと似ているというより、猫と梟は夜目が共通しているということではないかと思った。ミャー、ミャンは、「見る」から連なり「夜目」を意味しているのではないだろうか。と、これはほとんと言葉遊びだけれど。
 ミャンカもミャンチックーもかわいい響きですよね。猫がミャンカだなんて、世界一可愛い「猫」の名詞じゃないでしょうか。日本の共通語になってもいいくらいの語感だ。

 ああ、それにしても、ウンニーマイが食べたくなってきた。(^^;)



 

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コメント


 このはずくの仲間はいるらしい。
大衆と同じ事をしないと
  ミャンチクといわれるのでしょうか・・・?

 昼に寝て  夜に目が覚めて、
         ブログでたわむれていると

     梟  と言われそう。

          

  ほーほー  の  鳴き声は
        大金久の保安林内では 聞こえる。

   夜中には聞いたことが無いが
      夕暮れと  夜明け前に。

投稿: わらび | 2008/02/15 20:13

 クオリアさん

 ミャンカは、ミャーと鳴く猫の愛らしい子(クァー)
のことでミャンカでしょう?
ウァー、ウァー鳴く豚の子はウァンカ

 そう遠くもない昔、ミャンチク・ウジャという優し
い方がいました
テニスの上手な、笑顔の可愛いおじさんでした
猫の声の真似をしていたのか、顔が似ていたのか・・、
ユンヌンチュの渾名付けは、巧すぎますね
フクロウがミャンチックだとは知りませんでした

 里芋は最近のことでしょうか
小さなインジャムシウン(虫の食った苦い芋)の記憶
しかないので、いわゆるサツマイモは苦手です


 

投稿: サッちゃん | 2008/02/16 01:09

わらびさん、サッちゃんさん。

ミャンカ、ウァンカ。ああそうですね。鳴き声、ですね。

与論のふくろう。もしいるのなら、出会ってみたいですね。

投稿: 喜山 | 2008/02/16 18:44

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初めての方はこちらを読んでくださいね。 ちょっと前になりますが与論島クオリアさんが、『ドゥダンミン3』という本の紹介をしつつ、 ウンニーマイという食べ物のお話を書かれていました。 小正月(1月15日)に食べる、「芋と米を煮て、練って作る」もの。粟やもち米を使ったりするとありますから、ナリムチを飾って、それを使って、という風ではありませんが、小正月ですし、ヒキャゲの仲間と見てよさそうです。 芋は田芋か里芋。奄美方言音声データベースでのヒキャゲも里芋でしたねー。今は大島ではサツマイモ... [続きを読む]

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