与論の税金徴収率とふるさと納税
「週刊ダイヤモンド」の特集記事のなかで、ランキングワースト20にわが与論町が載っていてびっくりした。指折り数えて悪いという順位に与論が名指されているというのだから、驚かないわけにいかない。けれど少し冷静になってみると、複雑な気持ちになってくる。特集は、「税の踏み倒しを許すな!」「地方自治体『税金徴収力』のお粗末」とかなり語気の荒いタイトルなのだが、ワースト20の中身も「税金徴収率」について、なのだ。
すぐに思うのは、与論は、金銭に換算する限り決して潤沢ではない。だから、"税金徴収”というと、まるで弱い者いじめで、だったらそっとしておくべきではないのか。ましてぼくはタックスマンではないのだから、口出しすべきことでもないだろう。そんな思いが過ぎる。けれど一方で、しかし税収が減って自治力が名実ともに無くなれば、大は小を兼ねるに巻き込まれて、与論らしさは風前の灯火となってついえてしまいかねない。それは嫌だし、与論の意思でもあるまい。まして、与論は町として、市町村合併にもノーと言った土地なのだ。そう考えると、この税収率の低さと市町村合併ノーの意思表示とは矛盾しているようにも見える。
このテーマ、与論が気になる者にとって関心を持たざるをえないというものだ。
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全国的に徴収率は下がっているという。でもそれは予想されたことで、これまで住民税は5%、10%、13%と累進課税であったのに一律10%にしたので、課税所得200万以下の人にとっては住民税は倍増することになる。低所得者が税金を払いにくくなっているということなのだ。
そう言われると、与論もそれが背景なのだろうかと暗澹たる気分になってくる。けれど、必ずしもそうとは言い切れないケースも載っている。人口2万3000人規模の奈良県王寺町は、短期間で徴収率をアップしたという。それは、「払えるのに払わずにいる人」なのだそうだ。
中野さんは着任当初、滞納者に税を納めてもらおうという姿勢で臨んだという。だが、あるとき、間違いだと気づいた。住民の多くはしんどいなかで税金をしっかり納めている。ところが、滞納者のなかには払えるのに払わずにいる人もいる。それを放置してきたのは、まさに職務怠慢。滞納の山はこれまでしっかり仕事をしてこなかった裏返しの現象だ。 払えないのと払わないのは、違う。それをしっかり調査し見極めたうえ、払わない人と交渉する必要はないと考えた。法律に則った手続きを進めたのである。中野さんの対応に怒り、町長室に押しかける滞納者も現れたが、町長からストップがかかることはなかった。
与論にもこうした背景はあるだろうか。実際、ワースト8位の徴収率は64.9%なのだが、その内訳を見ると、
合計徴収率 64.9% 現年分徴収率 96.2% 滞納繰越分徴収分 6.1%
と、滞納分の徴収率が低いことが分かる。現年分が約96%もあるのに合計が約65%まで下がってしまうのは、滞納分の額が全体の約65%を占めているからだ。これは相当に大きく、王寺町と同じケースではないかと推測してしまう。これ以上のことは分からないが実態を知りたい。
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記事には、市町村合併を拒否した町のケースも出ていた。
鮫川村の近くに「合併しない宣言」で有名な矢祭町がある。自立の道を歩む矢祭町も徴収に力を入れており、現年分は九九・三%と高い。矢祭町の特徴は全職員が徴税吏員と出納員を兼務し、徴税に当たっている点だ。滞納整理班をいち早く組織し、夜間は幹部、昼間は若手職員が滞納者を訪ねて回っている。また、役場を年中無休にしていることも納税Lやすさにつながっている。住民に税をきちんと納めてもらい、それを大事に使うという考えが浸透しているのである。
与論町もこうすべきであると、ここからすぐに言えるわけではない。けれど、矢祭町は、市町村合併に対し「合併しない宣言」をしたことを引き受けようとする意思を感じるのは確かだ。
記事は、滞納者への不正免税を行政担当者が行い、その見返りを受け取った「行政と地域ボスの談合」のケースなども載っていて、それが激しいタイトルにも反映されている。
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思いがけない形で与論町の実態を知ってしまったが、少なくとも、徴収率の低さの原因は知りたいところだ。与論町という行政体が無くなるのは嫌だと思うからだ。ただ、「週刊ダイヤモンド」の記事に乗って、不都合を指摘するだけでは何とも後味が悪い。故郷に向かって引導を渡すような書き方をしたくない。
そこで思うのは、ぼくでもコミットできる事態打開の方策としての「ふるさと納税」だ。自分が出す税金の一部の納付先を選択できるというものだ。与論づくりは、与論住民だけでするのではなく、島内外を合わせた与論島関係者を巻き込んで行うべきだとぼくは思っているけれど、「ふるさと納税」は、その考え方にも適合する。
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コメント
クオリアさん
日本列島を端から端まで海路で往復してみると
中国大陸の北端から南端までの距離であることを
つくづく感じ入ります
アガリからイーまでは別ですが、南北の距離は
ドッコイ!ドッコイ!ですよね
大八洲の四百余州の島々が挙っての日本の国家の
成り立ち・・・これにも感じ入ります
すべての島々が、自給自足できて、それでいて
みんなで相集う、そんな国家があればいいな!と
希うのは妄想なのかもしれませんね
雪が降らなければ、北国ではないとケッパッテ
ている北海道や東北と琉球孤の季節を入れ換えて
の交流をするのもミジラシャルフトゥかもと・・
EUの労働力移動の現実的な力に思いました
口之津・大牟田への移住やUSAの大統領選挙で
オバマ氏、クリントン氏の黒人や女性の地位向上
のための健闘などは歴史が語るありのままの姿形
なのではと思われます
与論島のオンリー・ワンにも期待しているのは
もちのろんです
ムッチャー チカシタバリ!
投稿: サッちゃん | 2008/01/30 22:21
クオリアさん
「ふるさと納税」先取り・・・
南西諸島の離島、鹿児島県与論町も「島外の人との
交流を重視する。
寄付の使い道として示した「さんご礁再生」「ヨロン
マラソン運営」などには旅行者からのたくさんの善意
が届いた。
海水温上昇の影響で、一帯のさんご礁は絶滅が危ぶ
まれており、全国のダイバーが支援に乗り出している
という。
今日の新聞の特集記事に載せられていました。
寄付を通じた住民参加の地方自治の発展が、それに呼応
して寄付という自主財源が豊富になる。
古里への愛着だけでなく、政策や事業への共感が寄付へ
つながっている・・・とコメントがありました。
投稿: サッちゃん | 2008/01/31 15:39
サッちゃんさん
寄付の話、よく分かります。
自治への道のキーワードは贈与、ギフトだと思っています。
この場合、地元は、餌をねだる小鳥のように口を開けているだけではダメで構想が必要です。
一方、贈与する側は、地元利権や我が物顔が論外なのは言うまでもないとして、手段としてしか考えない場合はダメだと思います。
先日、「がっちりマンデー!!」という番組を観ていたら、「沖縄で儲けるには」というお題でやっていて、本当にげっそりしました。
投稿: 喜山 | 2008/02/01 15:35
クオリアさん
沖縄県内の首長や有識者らでつくる「沖縄道州制懇話会」
が、沖縄の未来像として望ましいのは「単独州』だという
見解を打ち出しているようです
九州統合派は35.7%で、単独州派は52.1%である
とか
これまで何度も聞いた話ですが、琉球独立論の願望が根強く
あるようです
ウチナンチュだというアイデンティティーが強く意識され
ているという(2008.1.30:西日本新聞)
ユンヌンチュのアイデンティティーは?
投稿: サッちゃん | 2008/02/02 00:38
サッちゃんさん
沖永良部学の高橋さんは、エラブンチュ>アマミンチュ>ウチナーンチュ>ヤマトゥンチュの順で、アイデンティティが構成されていると指摘していました。
http://manyu.cocolog-nifty.com/yunnu/2007/05/post_0da4.html
ユンヌンチュは、ユンヌンチュ>アマミンチュ>ウチナーンチュ>ヤマトゥンチュ、あるいは、ユンヌンチュ>ウチナンチュ>アマミンチュ>ヤマトゥンチュかもしれません。
こんな親近感の連なりでアイデンティティがつながっているのではないでしょうか。
投稿: 喜山 | 2008/02/03 22:38