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2008/01/10

『南島雑話』の奄美

 「幕末奄美遠島生活-左源太さんの日記-」で、bizaさんが『南島雑話』のカラー画像を紹介している。鹿児島大学の図書館に所蔵されているものだ。

 『南島雑話』

 『南島雑話』には、薩摩藩のお家騒動(お由羅騒動)で奄美大島への遠島を命じられた名越流刑を命じられた名越左源太(なごやさげんた)の目を通して、19世紀(1849年-1855年)の奄美大島が活写されている。

 ・表紙

 ・食物

 ・附録

 ・アマン?それとも絵心のある左源太が描くのだから別の生き物か?

 ・ナメクジ。なんと笑ってるように見える。まるで、ツチノコだ。

 『南島雑話』というと、ぼくは島尾伸三の文章を思い出す。

 薄茶色の半ズボンに薄汚れたランニングシャツで黒い長靴をはいて荷車を引いているおじさんも、豚肉をキャビネットサイズに大きく角切りして売っている裸足のおばさんも、学生帽を被った裸足の高校生も、どの人も背が低く色黒でがっしりした体型で元気が溢れもいるのに、青白い顔でスースー細い身体つきの、顔も細くて、風呂敷に包んだ本を脇に抱えて清々しく歩くヤマトッチュ(日本人)のおとなの男は、ぼくのおとうさんです。
 奄美小学校四年生のぼくに「南島雑話」の絵を写してほしいと言ってます。ええ、一所懸命やってみます、と、心は反応しています。でも気持ちのままに言葉が出ないので「うん」と生返事をしました。子どもの頃のぼくは、おとうさんのために働くのが好きでした。理由は分かりませんが、何だかとても大切な仕事に参加できたような充実した気分になれたのです。
 まず、ハブの絵を写しました。半透明のトレーシングペーパーなどの無い時代でしたので、原本を睨みながら別の紙に鉛筆で絵を真似ていくのです。一九五七年のことだったはずです。(『東京~奄美 損なわれた時を求めて』)

 心躍らせている島尾敏雄の役に立ちたいと張り切る伸三の姿がここにはある。
 ときに、ここで伸三が描いたハブは、これかもしれない。

 ・ハブ
 
 伸三のいう「何だかとても大切な仕事」を引き継ぐように、bizaさんは「幕末奄美遠島生活-左源太さんの日記-」で、左源太の記述を多角的に追っている。bizaさんのブログの向こうにも、ぼくたちは“奄美”を感じることができるのだ。
 ありがたいなぁ。ぼくはいつもそう思って、更新を楽しみにしている。みなさんもぜひ。



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コメント

こんにちは。遅ればせながら、ご紹介いただき、ありがとうございます!
東洋文庫の『南島雑話』はとってもありがたい本なのですが、絵を見るにはちょっと悲しいので、鹿児島大学さんには大感謝です。
島尾伸三さんの本、今度読んでみますね。

投稿: biza | 2008/01/12 21:14

bizaさん

お返事遅くなりました。ごめんなさい。
『南島雑話』、東洋文庫で出ているんですね。恥かしながら知らなんだ。

画像がクリアに見れると迫力が違いますもんね。左源太が身近になります。もっともbizaさんのブログのおかげでもうずいぶんと身近にはなっているんですが。(^^)


投稿: 喜山 | 2008/01/15 09:09

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