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2007/12/09

サザエカレーの由来 - ケーススタディとして

 「アイランダー2007」で出会った、サザエカレーの由来について、『離島発 生き残るための10の戦略』でも触れられていた。

 ※「アイランダー2007」見聞
  「島じゃ常識」


 地域の産物、島の産物を売る際に、私たちが目指したのは、個別の商品を売るだけではなく、島をまるごと売ろう、島をまるごとブランドにしよう、ということでした。
 「海士といえば○○」
 というフレーズが全国に轟くような大ヒット商品、海士の代名詞となる商品がひとつあるよりも、商品のひとつひとつは小さな規模でもいいから、その小さな商品を積み上げていくことで、海士町の産業全体がトータルとして成立するようになろう、と考えたのです。言ってみれば「塵も積もれば山となる」「1円も積もれば大金になる」というわけです。

 最終的には、海士町をひとつの総合デパートにするのが、私たちの目棟です。海士にはすべてのものがある、中ノ島に行けば何でもある、というデパートを作る。
 その「総合デパー上化に向けた商品開発の第一弾が「島じゃ常識サザエカレー」でした。名前のとおり、具にサザエを使ったレトルトパックのカレーです。サザエの肝もカレーに繰り込まれた、ちょっと苦めの面白いカレーに仕上がりました。
 サザエは、言葉は悪いですが、島にはゴロゴロ転がっており、島ではひじょうにポピュラーな食材です。これを肉の代わりにカレーの具に使うのも、島ではごく当たり前のことです。
 海士では常識だとはいっても、こうした食べ方をしている地域はさほど多くないでしょうし、そうでないところでは面白がってもらえるのではないかということで、商品化の研究を始めました。

 島の職員と農協婦人部との共同開発だったのですが、とにかくレトルトパックの素材のことも何も分からない。そういう商品を作ったことがないから当たり前ではあるのですが、まったく一からの研究になりました。
 試行錯誤を重ねてできあがったこのサザエカレーには、予想以上の反響がありました。私も自分で物産展などに足を運んでサザエカレーの営業をすることがありますが、「おいしい、おいしい」と言って試食をお代わりする人もいれば、翌日に知り合いを連れて買いに来てくれる人などもいます。そういう姿を見せられるとほんとうに嬉しいのですが、さらに嬉しいことに、現在では年間4万個ほどを売り上げるヒット商品になっています。

 実をいうとこのサザエカレー、島では好評とばかりはいえません。それも当然のことで、完全に島民の生活に溶け込んだ食べ物なので、各家庭にはその家独自の「サザエカレー」があるわけです。自分の家のサザエカレーこそがほんとうのカレーだと誰しも思いますから、「こんなのはほんとうのサザエカレーではない」ということになってしまうのです。
 ごく当たり前の家庭の味をあえて売ろうとは、それまで誰も思わなかったのですが、島では当たり前のこと、海士の人間にとっては何の変哲もないことでも、外の人には新鮮な驚きに映ったという好例です。

 海士(あま)の「島をまるごとブランド化」構想は、竹盛窪さんの「与論島まるごと博物館」構想を思い出させる。

 サザエカレーの事例を読みながら、「与論といえば○○」の、中に当てはまるものが何があるだろう、と想像したくなった。この本は、与論島の地域ブランドづくりにとても励みになるのだ。


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コメント

 クオリアさん

 与論と隠岐との共通点は、離島であることかと思います
それなりの景観、景色の佇まいも素晴らしいですね
ミッタン チュラサクトゥヨ

 がしが、与論の島の美しさの方がチュラサイド!
身びいきな話で恐縮ではありますが、恐縮してはいません

 大きな島には住むところがあり過ぎて、あっちこっちで
住むからでしょうか、いつの間にかふるさとがなくなって
いるようです

 離島は、島がなくならない限り、一度でもその島を訪れた
人はその島を忘れはしないと思います

限られた人の一生ですから・・・
人だけではなく、亀も鮭も阿房鳥も生まれ島に帰ります

 隠岐は一度でいいけど、与論は何度でも行きたい
ガシガヨ トゥサヌ ハニヌタラジナティ イカラジ
だけど 遠すぎて 金も足らなくなるので 往けません
ダンディドウカデール (ごめんなさい)です

 離島の人は、例え帰れないふるさとであっても故郷が
あるのです

 ガシュクトゥ(だから)、ユンヌンチュは今住んでいる
5000人だけではないと思います
ん十万人、もしかしたらん百万人のユンヌンチュがいるの
ではないでしょうか

 ウェブ的ないしはネット的にん千万かもしれません
肝心なのは、受け入れるだけの器量の有無かと思います

投稿: サッちゃん | 2007/12/10 01:19

サッちゃんさん。

> 離島は、島がなくならない限り、一度でもその島を訪れた
> 人はその島を忘れはしないと思います

> 離島の人は、例え帰れないふるさとであっても故郷が
> あるのです

両方とも胸に沁みます。本当ですね。

内外あわせれば、ユンヌンチュは、マンドゥルはずですね。
与論をホーム・アイランドと感じる人たちを巻き込めば大きな力だと思います。

投稿: 喜山 | 2007/12/11 19:15

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