津堅地名考2 手がかりとしてのウティキン
津堅島と対で語られる久高島は、
地名のつながりはないのか、関心をそそられる。
そういう目で見ていたら、
久高島には、ウティキンという地名があるという。
琉球の地図として最も古い『海東諸国記』(一四七一年)
所載の「琉球国之図」に本島の東海上に「通見島」、
「有見島」が見えているが、「有見島」が現在の久高島
に間違いない。どう読めるのか久高島とは差が大きすぎる。
しかし久高島の西海岸にウティキンの地名があり、
ウティキン→ウキンと読める。古くは有見島と作られた。
(『地名を歩く』新垣源勇)
新垣は、「ウティキン→ウキン」とい転移を想定しているが、
ぼくは、津堅島のこととして、
「ウティキン→ティキン」という転移を想定する。
語頭の母音は脱落することができるから、
(utikin)→(tikin)という転移はありうる。
それなら、チキンの古形としてウティキンを
想定することができるからだ。
そして、「ウティキン」が想定できるなら、
その古形もさらにありうると思える。
というのも、ぼくたちは以前、
波照間(パティルマ)の地名について、
語頭の子音pと母音aが脱落することで、
多良間(タラマ)や来間(クルマ)、慶良間(ギルマ)
のバリエーションを持ったと想定してきたが、
このような転移の途中の形として、
「ウティキン」を想定することも可能だからだ。
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コメント
おはようございます。
久高島はノロの島と聞いて一度連れていってもらった。
大変珍しい体験をして帰りました。
津堅島は女島に対して男神様の島と聞いて
大変興味を持っております。
今度は、津堅島と伊計島に渡って
うたきを案内してもらいたいと考えておりますが
何時に機会が折るのでしょうか?
今日は出陣式
喜山さんの 政策にいたく感動しました。
選挙がおわったら
いよいよ パーマカルチャー体験旅行が待っています。
投稿: awamorikubo | 2007/09/04 06:40
awamorikuboさん
おつかれさまです。
久高と津堅。地名からみると、双生児のような気がします。
きっとすごく似てるんだと思います。
パーマカルチャー、与論に根づかせてください。
投稿: 喜山 | 2007/09/04 17:01