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2007/09/04

津堅地名考3 キンは山

多良間(タラマ)や来間(クルマ)、慶良間(ギルマ)などの
古形として波照間(パティルマ)を考えたのと同じように、
「ティキン」または「ウティキン」の
古形を想定することはできるだろうか。

そう考えて、波照間地名考の際、語尾の「マ」を軸に、
多良間(タラマ)や来間(クルマ)、慶良間(ギルマ)、
鳩間(パトゥマ)、加計呂麻(カキルマ)の類縁を辿ったように、
「ウティキン」の「キン」を軸に探ってみると、
次のような記述に出会う。

 これまで「キン」は、アイヌ語の“山脈”をいう「キム」
 に関連する訳が大方である。
 金武の他に、具志堅(グシチン)、健堅(キンキン)、
 宇堅(ウキン)、久手堅(クディキン)など、堅の字が
 当てられ、方音で「キン」や「チン」と読む地名の地は、
 全て琉球石灰岩台地に立地する。
 (『地名を歩く』久手堅憲夫)

実をいえば、久手堅は、ここからアイヌ語とは異なる
自説を展開するのだけれど、ぼくたちはひとまず、
アイヌ語に止まって考えてみる。

手元の『地名アイヌ語小辞典』(知里真志保)によれば、

 kim きム(「ム」は小さく表記されている-引用者注)
 里または沖合に対して云う山。生活圏の一部としての山。
 村の背後の生活資料獲得の場としての山。
 「爺さんが山へ柴刈りに行った」などという時の「山」
 の観念に当る。従ってこの kim は聳えることができない。
 それが nupuri「山」との差である。

生活圏の一部であり聳えることはない「山」の意味なら、
山脈的に捉える必要もないので、南島的な景観にも合っている。
聳えていなくても、植物の茂ったところを「山」と呼ぶ
呼び方もあるくらいだ。

注目したいのは、具志堅(グシチン)、健堅(キンキン)、
宇堅(ウキン)、久手堅(クディキン)で、
「キン」が語尾にくる地名のうち、「健堅(キンキン)」以外は、
同じと見なせそうな気がする。

「宇堅(ウキン)」は、「津堅地名考 2」で見た新垣の
「ウティキン→ウキン」としての「有見島」のことを
思い出させる。


果たして、津堅(チキン)、具志堅(グシチン)、宇堅(ウキン)、
久手堅(クディキン)は、地名として等価だろうか。



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