デューティ <d → r ?>
昨日の「ウシュクミ」、潮汲みの話で、母が子に語りかけたことのひとつ。
デエー ワッタイ フマカラ フヌアダミトゥティ
デューティ ショーチ コロン
さぁ、わたしたち二人、ここからあざみを採って、
生酢に料理して食べよう
このなかに「デューティ」という言葉が出てくるけれど、
ぼくは、これまで、この「デューティ」という音の、
独特な響きに、心奪われてきた。
「デューティ」と書くと、dutyを思い出すかもしれない。
で、比べてみると、duty の「デューティ」と、
「デュー」にアクセントがかかるのは同じだが、
「デューティ」の「ティ」は、伸ばさず短く切って発声するのが特徴だ。
拵える、捌くなど、料理(する)という意味だと思う。
いままで、ぼくはこの言葉にどこか遠くからやってきたような、
異質な印象を持ってきた。
デューティ。なんとなく格好よくもある?
(いまどきは、ここで、「どんだけー」の合いの手が入るかも)
でも、ひょっとして、異質なものではなく、
料理の「りょう」の音と関係あるのかもしれない。
言い換えると、ダ行がラ行に転訛することはありえる、もしくは、
タ行の濁音とラ行の濁音が等価である可能性はないだろうか。
○ ○ ○
「デューティ」の「デュー」は、u音で終わるが、
これを五母音に変換すると、o音をとりうる。
ダ行がラ行への転訛があるとすれば、
「デュー」は、「リョー」の音になるのである。
これはありうるだろうか。
こう思うのは、池田さんの『無学日記』には、
ダ行がラ行に変化している例が散見されるのだ。
イドゥー → イル- (どれ?)
マンドゥン → マンルン (いっぱい)
タフドゥ → タフルゥ (たこを・が)
いずれもダ行がラ行として表音されている。
これは、池田さんの出身の朝戸に見られる発声なのか、
池田さんの表記上の癖なのかは、ぼくでは分からない。
けれど、癖であったとしても、発声する音の類似を感じてしまう。
デューティ、の不思議な響きに、ぼくは魅入られてきたけれど、
これは、「りょうり(料理)」の古形の言葉なのだろうか。
ふと、そう思ったのだ。
まぁ、「料」は音読みであり、新しい言葉だとしたら、
「デュー」との関連づけは見当ちがいで、
笑い話に終わる気もするけれど、アイデアとして出しておきたい。
○ ○ ○
と、ここまで書いて。
そういえば、「らっきょう」を「だっちょう」と言います。
やっぱり、ダ行とラ行につながりがありますね。
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コメント
クオリアさん
この頃、耳が遠くなっています
孫たちの言葉の呂律の回転についていけません
聞き間違い、はては聞こえていない・・・etc
ワラビシュルバーヤ
デューティカラコレが、炊いてから食べなさい
と、素直に聞いていたつもりでした
今になって考えてみると、アンマーは
リュウティカラ…と言っていたのを聞き誤って
「デューティカラ…」と思い違いしていたので
はないかと思ったりしています
投稿: サッちゃん | 2007/09/20 01:49
サッちゃんさん。
たとえば、sing をシングと聞き、tobacco をタバコと聞いたように、
そう聞こえるということは、言葉が変化する動因になったのかもしれないですね。
投稿: 喜山 | 2007/09/20 21:25