津堅地名考8 久高島の由来
もう少し先まで行けそうな気がする。
「グディキン(gudikin)」を、起点に「ウキン」というバリエーションを
想定することで、久高島の古い名称である「有見島」も、
同じ、「崖のある(生活圏としての)山」と解してきた。
一方、久高島が地元では「フボー」と呼ばれているので、
その由来を、「クバ」に求めてきた。
ところでぼくたちは、ここまでくると、
久高島の「久高」自体の由来についても
言うことができるのではないだろうか。
「グディキン(gudikin)」から
「久高」に変化することはありうるかもしれないのだ。
gudikin
↓「グ」の五母音化で「ク」
kudikin
↓「i」の「a」への転訛
「n」の脱音
kudaka
と、辿ることができるのである。
ぼくたちは、この可能性も、これから育ててみたい。
○ ○ ○
仮に久高島の由来が、グディキンにあるとしたら、
グディキンからの変化によりウキンと呼ばれたこともあるが、
古名からの別の変化を経てクダカと呼ばれるようになった。
そしてそれとは別に、クバの茂るところとしての、
フボーという呼称が根づいていったことになる。
グディキン(ウキン) 崖のある山
フボー クバの茂るところ
ここで、地勢を地名とする起源の名づけ方は、
グディキン(ウキン)にあるので、
フボーより前にウキンと呼ばれていた時期があるのは、
地名の呼び方として不自然でないことも言い添えることができる。
一見すると、久高島は、フボーより新しい地名と見なしたくなるが、
ここでの仮説に従えば、そうではなく、久高という地名は、
フボーより以前の古名に由来するということになるのである。
地名の織り成す綾は、地層のように含み豊かだ。
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