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2007/09/09

津堅地名考8 久高島の由来

もう少し先まで行けそうな気がする。

「グディキン(gudikin)」を、起点に「ウキン」というバリエーションを
想定することで、久高島の古い名称である「有見島」も、
同じ、「崖のある(生活圏としての)山」と解してきた。

一方、久高島が地元では「フボー」と呼ばれているので、
その由来を、「クバ」に求めてきた。

ところでぼくたちは、ここまでくると、
久高島の「久高」自体の由来についても
言うことができるのではないだろうか。

「グディキン(gudikin)」から
「久高」に変化することはありうるかもしれないのだ。

gudikin

↓「グ」の五母音化で「ク」

kudikin

↓「i」の「a」への転訛
 「n」の脱音

kudaka

と、辿ることができるのである。

ぼくたちは、この可能性も、これから育ててみたい。

 ○ ○ ○

仮に久高島の由来が、グディキンにあるとしたら、
グディキンからの変化によりウキンと呼ばれたこともあるが、
古名からの別の変化を経てクダカと呼ばれるようになった。

そしてそれとは別に、クバの茂るところとしての、
フボーという呼称が根づいていったことになる。

 グディキン(ウキン) 崖のある山
 フボー        クバの茂るところ

ここで、地勢を地名とする起源の名づけ方は、
グディキン(ウキン)にあるので、
フボーより前にウキンと呼ばれていた時期があるのは、
地名の呼び方として不自然でないことも言い添えることができる。

一見すると、久高島は、フボーより新しい地名と見なしたくなるが、
ここでの仮説に従えば、そうではなく、久高という地名は、
フボーより以前の古名に由来するということになるのである。

地名の織り成す綾は、地層のように含み豊かだ。


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