美日子と「めがね」と与論島
「LOVE YOU SOMETHING」のブログで、
映画『めがね』に関する本や雑誌をチェックできます。
ぼくは見落としも多いので、ありがたし。
【book&magazine】 映画「めがね」と市川実日子さん関連雑誌メモ
このなかで、『装苑』を手にとってみました。
市川実日子さんのインタビューが載っている。
例によって、与論島に関係のありそうなところを引いてみる。
ほかにすることがないということもあるんですけれど、
生活の中の普通の一つ一つのことがすごく楽しくて、
東京にいる時の“欲”みたいなものが
自分の中からなくなった感じ。
島にいる時に“やりたくないことはやらなくていい”
ということをよく言われて。
それってわかるけど、だけどものすごく難しい。
でもそれを目の前で実践してくださった作品。
大切なものを、本当に大切にしていこうよというのを、
目の前で実践してくださったんですよね。
なんか現場が殺伐としてない感じ。
本当にそうやって映画を撮っているんだなあと。
そのころ、東京の仕事では「もっと早く、もっとテンポを!」
と言われていたから、それが私の中で抜けないっまでいたみたいで。
だから、撮影の初めのころ、監督から「もっとゆっくり」
とよく言われていました。
しばらくは、それでもどこか焦っているようなところがあったんですけど、
島の海や空、全部を感じてほしいと言われて、
だんだんと「あ、なんかこういうことかな」と。
何回かそんな気持ちになることがありました。
いつも焦っていたのかなあ。それが癖になっていたということか。
監督の荻上直子さんのインタビューもありました。
ロケ地の与論島は、昔、ある映画を観て
個人的に憧れを持っていたところです。
とにかく海がきれいで、海以外には“たそがれる”しかない。
その印象は、1年前の春、脚本を書くために再訪したとき、
ますます強まりました。
ニュースを見ているだけで悲しい気持ちになることが多い今。
だからこそ、気持ちのよさ、
思い出すだけでくすくす笑えるような心地よさを、
映画の中だけでも味わってほしいと思っています。
お二人とも変わらず、いいことをおっしゃってくれてます。
荻上さんが観た映画って何でしょうね。気になります。
映画の舞台に与論島が選ばれたのは、
荻上さんのなかに与論島がすでに存在していたからなんですね。
それはとても素敵なことです。
与論のなんたるかをまっすぐに感受した方が
映画を撮ったということですから。
これは逆のケース、与論の青いを海と空を、
ただの観光地として撮られたとき悲惨を思えば、貴重なことです。
市川さんへの、「もっとゆっくり」というアドバイスも、
「ここは与論だよ」という声をコノテートしていますね。
加速された時間のなかに、
分裂的に身を紛れ込ませるような都市のなかにいて、
しかも、自他ともに壊れゆくような出来事が迫りくるいま、
荻上さんの、せめて「映画の中だけでも」というメッセージは、
切実に聞こえてきます。
もっと言えば、与論島が提供できる価値が
大きくなっているということです。
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