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2007/07/13

奄美の多層圏域と離島政策 12

『奄美の多層圏域と離島政策』の第9章は、
「持続的・自立的社会の創造に向けて」というかなりマクロなテーマ。

けれどここには、前、「山原率」として提案した指標が、
林野率として載っていて、これだけでもとてもためになった。

2003年について、表を挙げておきたい。

        耕地率  林野率
--------------------------
奄美大島   2.7%  85.5%
喜界島    37.2%  18.7% 
徳之島    27.8%  44.9%
沖永良部島 48.4%  10.3%
与論島    52.7%   4.1%
--------------------------
奄美群島  13.6%   67.2%
--------------------------

これを見ると、ふつうに言って、与論島はヤバイ。
林野率、ここでの言い方では、山原率はたったの4%だ。
山原率に見る限り、
与論島は、そこらの枯れた都市と変わらないじゃないか。
これは相当にやばいです。

もっとも、1970年には、すでに山原率は、
6%に落ち込んでいた。
あの観光ブームの頃にはすでに極小化していたのだ。

とはいえ、このままいって壊滅させてはいけない。
むしろ、山原率は上げなきゃいけない。

与論町は、林野率(山原率)向上を
重要指標に置いているだろうか?

与論島に、森らしい森をつくろう。
明日の与論島にはそれが必要だ。

 ○ ○ ○

著者は、沖永良部島を例に挙げて、
「『農』こそ、命と健康の源であることを認識し、
健康で文化的な、そして持続可能な発展を遂げるために
環境保全型農業の推進が望まれるのである」
と書いている。

これはそうだと思うけれど、
与論島の環境を考えると、別のことも言いたい。

農のために耕地を増やすことが、
林野、すなわち山原を減らすことになってはならない。
環境保全型の観光、
つまり、海原があり山原があることが、
すなわち観光になるなら、
それも与論島持続に大切な要素となるのだ。


目次

第1章 岐路に立つ奄美と新しい島嶼研究アプローチ
     (山田誠)
第2章 離島における市町村合併の政治力学
     (平井一臣)
第3章 奄美の市町村財政と地方交付税
     (朴源)
第4章 奄美振興開発事業と建設業
     (田島康弘)
第5章 奄美の農業と農業合併
     (北崎浩嗣)
第6章 奄美の物流と流通コスト
     (山本一哉)
第7章 市町村合併と群島内の経済モデル
     (荻野誠)
第8章 奄美の出産と育児に関する地域・家族研究
     (片桐資津子)
第9章 持続的・自立的社会の創造に向けて
     (皆村武一)

第10章 奄美の地域振興と文化
     (山田誠)



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コメント

 林野率(山原率)向上、私もとても大切に思います。“木が二つで林、三つで森。木と土で杜。立木のそばからそっと見ているのが親。そして、人と木で「休」”(只木良也「ことわざの生態学」)。只木良也さんは、「森」に大変詳しい方です。昨年夏、講義を受け、好きになりました。ちなみに、英語のforest(森林)も、forとrest(休息のために)がくっついてできている。……森独特の匂い。枯れ葉、土、花などの匂いに加えて、木々が発散する清々しいフィトンチッドの香り。与論島に森が生まれたら、心のやすらぎは更に増えるでしょう。

投稿: 恒松 | 2007/07/14 09:59

恒松さん。いいお話をありがとうございます。

只木良也さんは知らなかったので、勉強になります。

与論島に森を。合言葉にしたいです。

投稿: 喜山 | 2007/07/15 11:16

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