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2007/07/07

奄美の多層圏域と離島政策 6

 野菜の島々としての奄美。

「奄美の多層圏域と離島政策」第5章で、
著者は、『奄美群島の概況』から、面白い表を引用している。
「奄美群島区内の農業粗生産額の推移」だ。

うかつなことだけれど、
ぼくは奄美は、「砂糖きび」の島々だと思っていた。
でも、2002年時点で見ると、
「砂糖きび」が最大の生産物ではなくなっている。

最大の生産物は何か?

なんと、「野菜」なのだ。

さとうきび   27.0%
たばこ     2.9%
野菜      27.5%
花き      21.2%
果樹       3.9%
畜産      17.0%
肉用牛・子畜 14.8%

0.5%の僅差ではあるが、「野菜」が「さとうきび」を
上回っているのだ。

また、「花き」、「畜産」、「肉用牛」も多い。
そういえば、与論島も牛だらけだ。

奄美は、全体でみれば、
「砂糖きび」の島々ではなく、
「野菜」の島々なのだ。

 ○ ○ ○

5年単位の推移をみると、
「野菜」以外に、増加を続けているのは、
「たばこ」「畜産」「肉用牛・子畜」で、
「花き」「果樹」は、すでに減少傾向になっている。

これは、「砂糖きび」の島々から、
もっと付加価値の高い生産物への移行を
それぞれの島の個性で展開した経緯を物語ると思う。

以前、あれは、何の番組だろう。
Dr.コトーだったろうか。
沖縄の砂糖きび畑の道を、シュガー・ロードと称しているのを
見てびっくりしたことがあった。

ぼくにとって砂糖きび畑の道は、圧制と貧困の象徴だった。
それはカタカナになることで軽くなる。
しかも、その名ときたら、砂糖の道で、“甘い”印象すら与える。
この言い換えによる響き転換は、
島の苦難の歴史を軽くしてあげる作用を持つだろうが、
歴史を不要に忘却させないだろうかとも思った。

しかし、この言い換えの背景になったのは、
本当は、この砂糖きび依存からの離脱だったのかもしれない。
実質的に離脱したことが、
「砂糖きび畑の道」から「シュガー・ロード」への言い換えを可能にしたのだ。


目次

第1章 岐路に立つ奄美と新しい島嶼研究アプローチ
     (山田誠)
第2章 離島における市町村合併の政治力学
     (平井一臣)
第3章 奄美の市町村財政と地方交付税
     (朴源)
第4章 奄美振興開発事業と建設業
     (田島康弘)
第5章 奄美の農業と農業合併
     (北崎浩嗣)

第6章 奄美の物流と流通コスト
     (山本一哉)
第7章 市町村合併と群島内の経済モデル
     (荻野誠)
第8章 奄美の出産と育児に関する地域・家族研究)
     (片桐資津子)
第9章 持続的・自立的社会の創造に向けて
     (皆村武一)
第10章 奄美の地域振興と文化
     (山田誠)



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