奄美の多層圏域と離島政策 7
山原率
「奄美の多層圏域と離島政策」第5章に、
産業構成、農業生産の指標がある。
ここにある5島について、
与論島の人口、面積を「1」として、各島を比較してみる。
大島本島 喜界島 徳之島 沖永良部島 与論島
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人口 12 1.5 4.7 2.5 1
面積 40 2.8 12 4.6 1
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この表には、加計呂麻島、与路島、請島が含まれていないけれど、
それにしても、与論島に比べたら、奄美の島々は大きい。
エラブと気軽に呼んでいるけれど、
与論の5倍近くも大きい。
奄美大島は、大島というだけある。
なんと、与論の40倍だ。
ただ、それに対して人口は、
大島の12分の1にとどまる。
これは昔からの特徴だが、与論島は人口密度が高い。
山のないことの裏返しである。
○ ○ ○
ぼくはもうひとつの指標に目が留まる。
耕地率だ。
大島本島 喜界島 徳之島 沖永良部島 与論島
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耕地率 2.7 37.3 27.8 48.7 51.2
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与論は、面積が小さい。それだから、農産物を増やそうとすれば、
必然的に耕地の比重をふやさざるをえない。
そうした背景が見えてくる。
だが一方、与論島の魅力を考えるとき、
与論島を観光立島として捉えるとき、
ぼくはもうひとつの指標を提案したい。
山原率だ。ヤンバル率、と読みたい。
山原(やんばる)率。
山原率は、森、樹木や植物でうっそうとした地帯の比率のことだ。
与論島は、沖縄の山原が近い。
あの、辺戸の向こうに広がる山原につながる地域として、
与論島を捉えるのである。
山原は海原とともに、与論島の魅力を引き立てる。
そしてそれだけではなく、与論島を守る。
山原が大地を大地としてあらしめ、島の自浄力を維持する。
ある一定の比率で保つべきは、山原率なのだ。
宅地化にも耕地化にもニーズがあってのことだ。
しかし、そもそも本体の与論島を損なったら宅地の耕地もない。
山原を維持する。山原を増殖する。
この視点を提案したい。
目次
第1章 岐路に立つ奄美と新しい島嶼研究アプローチ
(山田誠)
第2章 離島における市町村合併の政治力学
(平井一臣)
第3章 奄美の市町村財政と地方交付税
(朴源)
第4章 奄美振興開発事業と建設業
(田島康弘)
第5章 奄美の農業と農業合併
(北崎浩嗣)
第6章 奄美の物流と流通コスト
(山本一哉)
第7章 市町村合併と群島内の経済モデル
(荻野誠)
第8章 奄美の出産と育児に関する地域・家族研究)
(片桐資津子)
第9章 持続的・自立的社会の創造に向けて
(皆村武一)
第10章 奄美の地域振興と文化
(山田誠)
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コメント
人口の周密率は?
人が暮らしの難度率とか?
文化率など・・・
投稿: サッちゃん | 2007/07/10 00:37
サッちゃんさん、コメントありがとうございます。
確かにそうですね。奄美の生活を浮かび上がらせる指標は、
もっとあってしかるべきですね。
この辺、宿題にさせてください。
インターネットによるコミュニケーション率など、
いくつか浮かびます。
投稿: 喜山 | 2007/07/10 22:25