« 奄美の多層圏域と離島政策 6 | トップページ | 『めがね』完成試写会レポート »

2007/07/08

奄美の多層圏域と離島政策 7

 山原率

「奄美の多層圏域と離島政策」第5章に、
産業構成、農業生産の指標がある。

ここにある5島について、
与論島の人口、面積を「1」として、各島を比較してみる。

    大島本島  喜界島 徳之島 沖永良部島 与論島
--------------------------------------------------------------------
人口     12   1.5   4.7    2.5    1
面積     40   2.8  12     4.6    1
--------------------------------------------------------------------

この表には、加計呂麻島、与路島、請島が含まれていないけれど、
それにしても、与論島に比べたら、奄美の島々は大きい。

エラブと気軽に呼んでいるけれど、
与論の5倍近くも大きい。

奄美大島は、大島というだけある。
なんと、与論の40倍だ。

ただ、それに対して人口は、
大島の12分の1にとどまる。

これは昔からの特徴だが、与論島は人口密度が高い。
山のないことの裏返しである。

 ○ ○ ○

ぼくはもうひとつの指標に目が留まる。
耕地率だ。

     大島本島 喜界島 徳之島 沖永良部島 与論島
--------------------------------------------------------------
耕地率    2.7   37.3  27.8    48.7   51.2
--------------------------------------------------------------

与論は、面積が小さい。それだから、農産物を増やそうとすれば、
必然的に耕地の比重をふやさざるをえない。
そうした背景が見えてくる。

だが一方、与論島の魅力を考えるとき、
与論島を観光立島として捉えるとき、
ぼくはもうひとつの指標を提案したい。

山原率だ。ヤンバル率、と読みたい。

 山原(やんばる)率。

山原率は、森、樹木や植物でうっそうとした地帯の比率のことだ。
与論島は、沖縄の山原が近い。
あの、辺戸の向こうに広がる山原につながる地域として、
与論島を捉えるのである。

山原は海原とともに、与論島の魅力を引き立てる。
そしてそれだけではなく、与論島を守る。
山原が大地を大地としてあらしめ、島の自浄力を維持する。

ある一定の比率で保つべきは、山原率なのだ。

宅地化にも耕地化にもニーズがあってのことだ。
しかし、そもそも本体の与論島を損なったら宅地の耕地もない。
山原を維持する。山原を増殖する。
この視点を提案したい。

Yanbaru_yunnu_1
















 
目次

第1章 岐路に立つ奄美と新しい島嶼研究アプローチ
     (山田誠)
第2章 離島における市町村合併の政治力学
     (平井一臣)
第3章 奄美の市町村財政と地方交付税
     (朴源)
第4章 奄美振興開発事業と建設業
     (田島康弘)
第5章 奄美の農業と農業合併
     (北崎浩嗣)

第6章 奄美の物流と流通コスト
     (山本一哉)
第7章 市町村合併と群島内の経済モデル
     (荻野誠)
第8章 奄美の出産と育児に関する地域・家族研究)
     (片桐資津子)
第9章 持続的・自立的社会の創造に向けて
     (皆村武一)
第10章 奄美の地域振興と文化
     (山田誠)



|

« 奄美の多層圏域と離島政策 6 | トップページ | 『めがね』完成試写会レポート »

コメント

人口の周密率は?
人が暮らしの難度率とか?
文化率など・・・

投稿: サッちゃん | 2007/07/10 00:37

サッちゃんさん、コメントありがとうございます。

確かにそうですね。奄美の生活を浮かび上がらせる指標は、
もっとあってしかるべきですね。

この辺、宿題にさせてください。

インターネットによるコミュニケーション率など、
いくつか浮かびます。

投稿: 喜山 | 2007/07/10 22:25

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/87956/15663103

この記事へのトラックバック一覧です: 奄美の多層圏域と離島政策 7:

« 奄美の多層圏域と離島政策 6 | トップページ | 『めがね』完成試写会レポート »