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2007/03/01

自然時間の内包化

 80年代以降も、都市は高次映像化を進めてきた。不況などどこ
吹く風とばかりに、超高層ビルは林立を続けてきたように思う。現
在は、品川、汐留、丸の内、新宿西口など、いくつもの超高層ブロ
ックが誕生している。以前の超高層ビルに比べて、空の色とつなが
る瑞々しい色使いや曲面を利用したビル外装で、より軽くより環境
に調和的にしているのが特徴だろうか。

 超高層ビルが特別な存在ではなくなる過程で、都市と農村の構図
は現在、どこにたどり着いているだろうか。
 そんな視点に立つと、グリーンツーリズム構想が目に入ってくる。
グリーンツーリズムは、「農山漁村地域において自然、文化、人々
との交流を楽しむ滞在型の余暇活動」(農林水産省)とある。つま
り、宿泊というより、農村地域に滞在して余暇を過ごすことを指し
ている。

 たとえば、2006年のグリーンツーリズム優秀賞を受賞した山
形県の「暮らし考房」を見みてみる。

 私の主張!!
 山村に暮らす自信と誇りと希望の創造を目的に

 私の農業経営
 農林業
 小農複合家族経営、自創自給の暮らし

 みなさんに体験して欲しいメニュー
 本藍染 (7~10月)1,500円~、森の楽器作づくり(通年) 800円
 杉染(11~4月)1,500円~、チェンソークラフト(5~12月)3,500円
 草木染(通年)1,500円~、 森づくり(5~11月)1,000円
 石釜ピザ焼(5~11月)1,000円、メープルサップ採取(3月)1,000円

 こういう方々をお待ちしています。
 農山林が好き、手づくり好きの方
 自分の作品にこだわる方

 泊まるなら
 ログハウス(宿泊棟)有り ベットと朝食のみ
 1泊朝食付3,500円

 ぜひ見て!
 杉と街並の金山町。
 その奥座敷という人もある13戸の山里、自然と暮らす村人、和風
 のログハウスと200余年の母屋。
 山里の暮らしの体験と静かな余暇をすごして下さい。

 暮らし考房の栗田和則によれば、考房は農山村での豊かな暮らし
を考える拠点として構想されている。時は1993年、バブルの余
韻残る空気の中でだ。ということは、時勢に対するアンチテーゼの
意図も充分、含まれていたと思える。「暮らし考房」は、「メープ
ルと哲学の山里」と銘打たれている。甘いものと深いことの同居が、
味わい深いネーミングだ。栗田は、暮らし考房はまだ「体験」で訪
れる人が多くなかなか「滞在」にはなっていないという。経済的に
成功させるのはこれからの課題だとも。

 グリーンツーリズムが伝えるものは何だろう。それは、都市によ
る自然の内包が、空間だけでなく時間としても展開を持ち始めたと
いうことだ。都市空間が自然を内包するというだけでなく、都市住
民が、自然に触れる時間を持つということ。自然時間の内包である。

(超自然哲学30 「5.都市感性・ウェブ感性と身体性」)


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