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2007/02/08

実践NP変換

 NP変換は、欠如の批判を過剰の称揚に変換する。不足ではなく存
在、禁止ではなく可能に着目する。

 たとえば、駅の公衆トイレなどに「汚さないでください」という貼
り紙をよく見かける。これは典型的なネガティブ・アプローチだ。つ
い先日、東京の地下鉄、江戸川橋駅の公衆トイレで、「いつもきれに
使っていただいてありがとうございます」という貼り紙を見て、心が
和んだ。素直に受け止めれば、これはポジティブ・アプローチだ。

 否定語ではなく肯定語に言い換えるだけで印象はがらりと変わる。
同じことを伝えるのに、受け手の気分はまったく違ってくる。それは、
メッセージを受け取った人のその後の一日にわずかだけれど、影響を
与えるだろう。ポジティブなメッセージを受け取った人は、誰かにポ
ジティブなメッセージをギフトできるかもしれない。そんなポジティ
ブな連鎖を作りたい。

実践NP変換1-関係

 自分の正しさばかりにこだわると関係は悪くなりやすい。たとえば、
関係を持続する中で、ひっかかったことや不快に思ったことを、相手
に伝えたい場面を思い浮かべてみる。言えず仕舞にしまいこんだこと
であれば、それは苦情を訴える風にあらかじめなってしまうだろう。
それでも受け入れてくれるのを期待して思いきって伝えてみる。けれ
ど、それまで正しさの受容より主張をしてきたとしたら、言葉通り受
け取ってもらうのは難しい。それどころか、ひっかかりや不快の感じ
方自体を非難されてしまうことにもなりかねない。立つ瀬がなくなり、
伝えたせいでますますストレスを溜め込むことになってしまう。こう
なると一触即発、ちょっとしたひと言で口論の幕が切って落とされる。
そして声を荒げる。こんな不毛なことを繰り返してしまうわけだ。

 諍いは、お互いがおたがいのことを聞けなくなっている状態のこと
だ。我慢ならなくなると、話が終わらないうちに遮り、もっと大きな
声で断じてしまう。するともう、すぐ喧嘩になってしまう。

 こんなネガティブな状態をポジティブに変換するのは、相手の話を
聞くことと、相手を誉めることだと。自分のストレスは相手のストレ
スだと考えて、それを解消してあげる。情は人のためならず。それは
自分に巡ってくる。
 言うは易しの、関係のNP変換だ。

実践NP変換2-会議

 ブレインストーミングの原則、というものがある。アイデアを出し
磨きをかけるのによく使われる。中身は、「量を出す、批判しない、
連想する、奔放に出す」、の四つだ。「批判しない」が原則になるの
は、人は放っておけば批判をするものだという傾向を踏まえたもので
分りやすいが、逆に、「奔放に」出すことがわざわざ挙げられている
ように、自由にと言われても言いにくいことも確かだ。アイデア量産
を目的にしたブレインストーミングは、結局これらの四つの原則が守
られたら、半分、成功したようなものなのだ。

 もう少し言えば、これらの原則が守られるためには、事前の合意だ
けではなく、批判を呼び込みそうなアイデアをかばったり、奔放に出
すことを促したりする司会役のきめ細かな配慮が大切になる。事前の
合意が意味をなさないくらい人はすぐに批判したがるし、奔放になれ
るかどうかは、場の力で徐々に形成していくものでもあるからだ。
 アイデアの欠如を批判するのではなく、出たアイデアのよさを誉め
ること。これも言うは易し、のNP変換だ。

実践NP変換3-憲法

 憲法第九条も、NP変換したい。つまり昨今の状況だと、憲法第九
条は、軍隊ではないという欠如を批判する方に分があるような情勢だ
が、そうではなく、国家による不戦条項と軍隊非保持を過剰性として
見るなら、人類の希望と言っていい先見性ある言葉として稀有な存在
価値が浮かび上がってくる。
 思ったことがなかったが、改めて考えてみると、第九条の存在は、
国家としての日本を好きな点かもしれない。
 第九条を欠如として捉えて補うのではなく、第九条の存在あるいは
過剰性に着目して、積極的に他国での導入を働きかける。それが、第
九条のNP変換だ。

(超自然哲学9 「2.世界は私の像的身体」)

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