« Nにとどまる | トップページ | 垂直転換による異次元連結 »

2007/02/10

イメージ的身体としてのインターネット

 像(イメージ)的身体として人間が価値化したものを最も体現して
いるのは、インターネットだ。
 インターネットには、ぼくたちの思考や創造の産物を誰もが共有で
きる映像として存在している。しかも、ただの三次元映像というので
はない。グーグルアースが典型的だが、マウスの操作ひとつで地球の
映像をくるくる地軸にも構わずくるくる回転させられるように、三次
元にもうひとつ軸を加えた四次元的な映像を体験しているのだ。

 そしてもうひとつ、インターネットは、高次な映像世界というだけ
でなく、それが現実の世界とつながっている。eメールを送れば、そ
れを受け取り返事をする相手の存在があり、ブログを書けば、それを
閲覧する人の存在がある。オンラインショッピングで、買い物できる
ことを疑う人は、いまや誰もいない。
 インターネットは、現実の向こうのもうひとつの現実なのだ。

 ところで、吉本隆明は、『ハイ・イメージ論』を「映像の終りか
ら」として、「高度情報化」の考察から開始している。吉本が高度
情報化の要素として挙げたのは次の三つだ。

 1、映像差異の消去
 2、空間(距離)の差異の消去
 3、1と2の否定としての時間の差異化

 1985年の吉本は、「映像差異の消去」を、たとえばVAN(付
加価値通信網)の異種コンピューター間のプロトコル変換、「空間
(距離)の差異の消去」ならINS・キャプテンシステムのデジタル
スケッチホン、「時間の差異化」は、同じくVAN(付加価値通信網)
のメールボックス・サービスなどを、「実現されつつあるもの」とし
て例に挙げている。

 2007年のぼくたちは、これらがすでにインターネットによって
実現されているのを知っている。
 たとえば、インターネット上に掲示したウェブページを、そこへの
アクセス権を持った二人が別のパソコン・インターフェイスから、お
互いにページの修正を同時にし合うというシーンで、「映像差異の消
去」は実現されている。また、このとき二人が隣のデスクで作業しよ
うが、北海道と沖縄でしようが関係なく、「空間(距離)の差異の消
去」も実現している。
 「時間の差異化」は、まさにeメールが典型的に実現しているもの
で、送信時間に関わりなく、受信者が読める時間に開封して読んでい
る。送る時間を気にしなくていいと、eメールの長所として挙げられ
ているものだ。

 吉本の「高度情報化」の考察は、実はインターネットを捉えたもの
だったと言い換えてもいい。その意味では、『ハイ・イメージ論』は、
インターネット出現の10年前にインターネットを起点に開始された
考察だったのだ。
 ぼくたちは、吉本の考察を受けて、インターネットに社会像の新し
い可能性を見出してみよう。

(超自然哲学11 「3.インターネットの新・相互扶助」)

|

« Nにとどまる | トップページ | 垂直転換による異次元連結 »

コメント

喜山さん おはようございます。
すこしづつですが
インターネットの世界が見えてくるようです。
使えるようにならないと、理解できない部分がおおいですので
これからもよろしく。
与論島でもインターネット喫茶なるものも出来そうですので
技術が磨けるチャンスだと期待してます。

投稿: 泡 盛窪 | 2007/02/11 04:51

盛窪さん、コメントありがとうございます。

インターネット喫茶ですか。旅行者も助かると思います。

与論にとって、ウェブコミは強力な味方です。
この力を生かすこと。
しかも、正しく適切に生かすことが大事です。
そのことを島の人たちに伝えたいです。とても。

投稿: 喜山 | 2007/02/11 22:28

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: イメージ的身体としてのインターネット:

« Nにとどまる | トップページ | 垂直転換による異次元連結 »