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2007/01/31

グーグルアースの一撃

 グーグルアースは感動的だ。
 グーグルアースを使うと、あたかも自分が宇宙船を運転している
ように、宇宙のある一点から、地球に接近することができる。
 こんな映像は『2001年宇宙の旅』を始め、『スター・ウォー
ズ』や『プレデター』、『インディペンデンス・デイ』、『アポロ
13』、『宇宙戦艦大和』などの映画でお目にかかってきた。ただ、
それは地球や惑星のこの上ない映像美を見せてくれるけれど、そこ
に向かう視線の行く先は、作られたものを後追いするだけだった。

 グーグルアースで接近するのは、ぼくたちが生活している地球そ
のものだ。東京からロンドン、ロンドンからニューヨーク、ニュー
ヨークから那覇と、クリックを繰り返しながら地球を周っていくと、
世界中の地域はつながっていて、それこそ地球はひとつなんだとい
う実感が、いままで味わったことのあるどんな体験よりも、強く湧
いてくる。
 それと同時に、映画『独裁者』で、独裁者に扮するチャップリン
が、大きな地球の風船を放り投げて手玉のように戯れるシーンがあ
るけれど、あれと似た、地球で遊ぶという感覚もやってくる。地球
征服を狙う異星の侵略者気分にもなろうというものだ。バルタン星
人のように、フォッフォッフォッと不敵な声を挙げたくなってくる。

 グーグルアースは宇宙の遠点から地球を眺めることに始まり、地
球に接近して、自分の住んでいる住宅や故郷の映像まで、画像が用
意されている場所なら、一台の車の様子まで分るくらい接近できる。
地図を眺めるように、地理感覚を掴んだり、旅行気分を味わったり
することができるのだ。

 そうやってグーグルアース遊びを続けていると、尽きないもので
新しい欲求も湧いてくる。

・リアルタイムに見たい。
・時間を遡行/進行してみたい。

 大きくはこの二つだ。ひとつは、たった今の都市映像を見てみた
いということ。
 自分のいる場所を上空から眺めたいと思うのと一緒に、たとえば、
今、実家はどうなってるだろうと思ったときにそれが見られるとい
うこと。昼間の東京を見ているとき同時に、大阪を見たらそこは雨
になっていることが分れば、地球が生き物のように動いている様が
迫ってくるだろう。また、日中、東京からニューヨークに飛んでみ
たら真っ暗で、地球には昼と夜の区別があることも感覚的に納得で
きるだろう。ニューヨークの夜景はきっと輝いていて、そこだけ見
ると、地球が光の惑星にみえてくるだろうし、一方で同時に、シベ
リアの映像が真っ暗だったら、光のエリアがどれだけ莫大なエネル
ギーを消費しているのかも分るに違いない。
 ぼくたちはそこから大きな学びを受け取るのではないだろうか。

 もうひとつの欲求は、グーグルアースに時間軸を入れたいという
ことだ。
 つまり、時間を遡行すれば、都市の風景が農村に戻り自然そのも
のに帰っていく様や、埋立地が海に帰っていく様が見られること。
それは人間が自然に手を加えることの意味をよく考えさせてくれる
に違いない。夢はもっと膨らんで、大気や海流の動き、それから大
陸や島嶼のわずかな動き、そして欲を言えば、そこに人類の移動ま
でシミュレーションできると楽しい。
 そうしたら陸地の変遷とともに人類はどのように世界に分布して
いったのかをイメージで知ることができる。それはぼくたちの関心
から言えば、日本人の来し方を知るということだ。
 また、未来への時間軸を挿入すれば、変化する大陸や移動する島
の様子がわかるだろう。そして緊急的には、刻々と変化する森林や
北極、南極の様子など、環境問題をリアルに実感できるに違いない。

(超自然哲学1 「1.グーグルアースは世界視線」)

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