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2007/01/07

砂浜への澪

たぶん南島地名研究センターの『地名を歩く』からの
引用だと思うのだけど、
外海と礁湖をつなぐ底深い海路を「ヌー」と呼ぶ
という解説に出会いました。

「河・海の中で、船の通行に適する底深い水路」である
澪(みお)を「ヌー」と呼ぶというのです。

 「くだかのみお」も「こまかのみお」も中城湾の
 入り口から港川まで連なる知念ウフビシの沖から
 イノーへ入る水路で、方言で「クダカヌー」「コ
 マカヌー」と言っている。

 玉城村百名海岸の「ヤマラヂカサ」の前面には
 「アチヌー」「ジマイヌー」が開けている。
 沖縄の古代文明は各地の干瀬(裾礁)に開かれた
 ヌーグチから入ってきたと考えられる。

 陸の地名にもヌーの語源をもつものが多い。
 豊見城村の饒波は国場川の支流が豊見城城跡の下で
 分かれ溝原まで深く入りこんだところにある。

 (中略)饒波は方言で「ヌーファ」と言う。

これは面白い考察です。

個人的な関心からいえば、「ヌー」の音が、
ゆんぬの「ヌ」の語源の連想に誘うからです。

菊千代さんがまとめてくださった
『与論方言集』によれば、
「礁原の裂け目」を「クチ」というとあります。
出入り口の「口」のことでしょう。

だから、与論には「ヌー」という音は
残っていないのかもしれません。

けれど、クチとヌーと比べれば、
ヌーがより古層の言葉だろうと推測できるから、
ヌーの音を与論に結びつけて考えるのは
そう無理のないことでしょう。

こんな連想です。

ゆんぬを「ゆん」と「ぬ」に分けて、
「ゆん」を「ユナ」のバリエーションとみなし、
「ヌ」を「ヌー」のバリエーションとみなせば、
「ユナ」=砂浜、「ヌー」=澪となって、
ゆんぬを「砂浜への澪」と解することもできます。

「砂浜への澪」としての与論島。

ちょっとロマンティックです。

ただ、この解釈はロマンティックな分だけ、
リアルではない気がします。

むしろ、語源とは別に、
与論島を多義性の方へ解き放つときに、
採用したらいいアイデアなのかもしれません。

波照間島の語源を「沖ノ島」と解し、
果てのうるま(琉球)や果ての珊瑚を、
リゾート地としてのアピールに用いればいいのではと
提案した考えと同様です。

「砂浜への澪」としての与論島。
与論島の魅力を捉える一視点です。

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