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2007/01/14

ユナ系としてのユンヌ

『地名を歩く』の考察に見られるように
ユナ系の地名としてよく挙げられているのは、
「与那(ユナ)」「与根(ユニ)」、
「与那覇(ユナファ)」「与那原(ユナバル)」です。

 ユナ系の地名には、国頭村のユナ(与那)、
 豊見城市の字ユニ(与根)、南風原町の字
 ユナファ(与那覇)などがある。ユナ系地名
 で、地名の持つ拡大する性格を、最も顕著に
 したのがユナバルで、一つの地相地名が今日
 の自治体地名にまで広がったのは、ユナ系で
 はユナバル(与那原町)だけである。

 (中略)

 ユナ(共通語ヨナ)とは、砂を指す基層地名
 で、国頭村の与那はまさに”砂の寄りつく所”
 であり、ユナバル(与那原)も、美しい白砂
 の果てしなく続く”砂原”の義であった。
 (久手堅 憲夫)

ぼくが思うのは、与論もユナ系の地名ではないかということ。
そしてことによると、
与那国もその可能性があるのではないかということです。

国頭の与那だけでなく、
与論も”砂の寄りつく所”であり、
そのシンボルのように百合が浜があります。

また、与那原だけでなく、与論も、
美しい白砂が果てしなく続く砂原に違いありません。

与論がユナ系の地名に挙がってこないのは、
ひとえに、与論(ヨロン)という町名のためだと思います。
けれど、島では与論をユンヌと自称することを踏まえれば、
ユナ系の視野に入ってくるのではないでしょうか。

地名は、地形や地勢を名づけるのが、
いちばんはじめに来ます。

そうだとしたら、与論島の地形や地勢を言うのに、
「砂」は、白の輝きとともに真っ先に目に入ってくるのです。


また、与那国島は、
与論島ほど白砂が多く広がっていないようにみえます。
でも、ここもユナ系の可能性を持つのではないかと思うのです。

 しかしユナグシク(与那城)は、海浜に立地
 した地名ではなく、丘陵上にあるところから、
 揺り上げ地をいうユラからユナへの変遷地名
 であろうとみられる。またユナグニ(与那国)
 も砂とは関係なく、土地の方言で”四つのく
 に”を指す、”ドゥナン”を共通語読みにし
 てヨナグニとし、与那国を当てたものであろ
 うとみる。
 (久手堅 憲夫)

「四つのくに」はかなり抽象的な概念で、
こうした高度な概念が地名になるのは、
歴史の時間としてかなり新しいはずです。

「ドゥナン」という言葉が土地に伝わってきた言葉だとしたら、
それは、「四つのくに」ではなく、
地形や地勢にその由来を求めなければならないはずです。

また、「ドゥナン」は共通語読みにしなくても、
d音=y音となることを踏まえれば、
「ユナン」となることは可能です。

それは、与那国の他称が、
「ユノーン」となることかも傍証しているように思えます。

ところで、「ユノーン」を3母音変換すれば、
「ユヌーン」となりますが、
ここから「ユンヌ」との類縁すらうっすら感じられてきます。

『地名を歩く』の資料を見ていると、
西表島に、ウルチ浜へ通じる「ユノーンフチ」
という澪があります。

ユノーンの口。このユノーンは、
与那国の他称のユノーンと同一の意味なのではないでしょうか。

ユナ系を追うここでの文脈からいえば、
ユノーンフチは、砂浜への澪、を意味するのかもしれません。

というわけで、
与論島と与那国島もユナ系地名に入ると仮説します。


また、新しい知見を探しましょう。

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