そーこー、うちですかぁ?
1972年ころだと思う。
宇和寺の横道に入ったところで、
隣の子と遊んでいるときでした。
黒いバイクに乗って、
サングラスをかけた男が
横道に入ってきたのです。
アメリカ人だぁー。
たしかそう叫んだような気がします。
怖くて。
男は、バイクを止めると、
乗ったまま、
道の奥のぼくの家の方を指して、
そーこー、うちですかぁ?
と、聞いてきました。
日本語をしゃべっているから当り前なのですが、
いかつい風体に釣りあわない、
なんとも気の抜けるアクセントでした。
この道を行っても家に当ってしまうか、
という意味合いなのはなんとなくわかり、
うん。
とだけ答えました。
それが精一杯でした。
お礼を言われたどうか、
もう何も覚えていないけれど、
そこで男は去っていきました。
彼はきっと復帰前の沖縄本島から来た
軍人さんだったのでしょう。
異人さんへの恐怖心と、
アメリカ人の気さくさと、
自分の気後れと、
一緒に思い出します。
思えば、ぼくの異人さん初体験も与論島でした。
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