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2006/12/27

そーこー、うちですかぁ?

1972年ころだと思う。
宇和寺の横道に入ったところで、
隣の子と遊んでいるときでした。

黒いバイクに乗って、
サングラスをかけた男が
横道に入ってきたのです。

アメリカ人だぁー。

たしかそう叫んだような気がします。
怖くて。

男は、バイクを止めると、
乗ったまま、
道の奥のぼくの家の方を指して、

そーこー、うちですかぁ?

と、聞いてきました。

日本語をしゃべっているから当り前なのですが、
いかつい風体に釣りあわない、
なんとも気の抜けるアクセントでした。

この道を行っても家に当ってしまうか、
という意味合いなのはなんとなくわかり、

うん。

とだけ答えました。
それが精一杯でした。

お礼を言われたどうか、
もう何も覚えていないけれど、
そこで男は去っていきました。

彼はきっと復帰前の沖縄本島から来た
軍人さんだったのでしょう。

異人さんへの恐怖心と、
アメリカ人の気さくさと、
自分の気後れと、
一緒に思い出します。

思えば、ぼくの異人さん初体験も与論島でした。

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