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2006/12/30

「ゆんぬ」語源考2

漁撈形態にあるという三段階のうち二つは、
第一が「ゆいが浜形態」、第二が「もやい浜形態」。

 ゆいが浜形態というのは共同漁撈であり、
 漁獲物の分配も村全体にわたって平等である。
 次のもやい浜形態というのは、共同漁撈による
 ことはおなじであるが、その分配を受けるものは、
 村方全体でなく、浜方とか漁師とよばれる当事者、
 すなわち漁撈に直接従事したものにかぎられる。

 また、ゆいが浜形態が寄り物や地先海岸の海草や
 アワビなどの採取または突漁、ときとしては網漁
 ないし釣漁にかぎるもののようである。

 (中略)標準語のユイをあらわす各地の方言は、
 ユエ、ヨイ、イイ、エエ、ユウなど、さまざまであり、
 それに対応するような地名もつけられている。
 (『日本の地名』谷川健一)

これを読むと、与論島のイノー(礁湖)は、
「ゆいが浜形態」にぴったりだと思います。
そしてゆいが浜形態にある
「寄り物」に関心をそそられます。

「寄り物」を、「ゆりむぬ」と、与論言葉に変換すれば、
「ゆりぬ」を、「ゆんぬ」の語源と見なすことができそうだからです。

寄り物の集まる場所としてのゆんぬ、です。

また、ユイに着目すれば、
共同漁撈を行う場として「ゆうぬ」を、
「ゆんぬ」の語源に置くこともできそうです。

ただ、地勢を言い当てるのが地名の初源のあり方だとしたら、
場に集まるモノや場で行うコトで説明するのは、
すでに概念化が施されていて、
名づけの仕方としては新しく、原型ではないのかもしれません。


ともあれ、「ゆんぬ」語源について、仮説三つです。

■仮説1

「ユナ」「ユニ」のバリエーション。
砂浜近い土地あるいは砂地に結び付く言葉。

■仮説2

「ユリヌ」の転訛。
寄り物が集まる土地に結びつく言葉。

■仮説3

「ユウヌ」の転訛。
みんなで漁をする場にむすびつく言葉。


追記。
勝手に想像を膨らませると、
砂浜や礁湖(イノー)の場を軸に、
そこに集まるモノを意味した「ゆりぬ」と、
そこで行うコトを意味した「ゆうぬ」の両系統があり、
片方が、「ゆるん」へと変化し与論へとつながり、
もう片方が、「ゆんぬ」となったと見なせるのかもしれません。

来年へつながる楽しいテーマです。(^^)

Yunnu_1

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