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2006/12/26

物書きの覚悟と配慮

『THE NIKKEI MAGAZINE』に
吉本隆明のインタビューが載っていて
思わず、惹き込まれました。

インタビューと言っても、
インタビュアーの文も多いので、
吉本さんの言葉は短いのだけれど、
それでも胸に響いてきます。

たとえば物書きという職業について、
儲からないかもしれないが、
名誉や名声が得られるではないか
という問いかけに対して答えます。

 そんなもの人が勝手にくっつけているもので、
 自分の所有物でも何でもない。そんなことは
 関係ないよ、自分が考えていることに比べると、
 名誉や名声なんてものは大して意味のないこと
 だと、なりますね。

こう言う吉本さんには、
これまで何度も励まされてきました。

これは、シモーヌ・ヴェイユのいう
「無名性の領域」をすぐに思い出させてくれます。

また、物書きについて、こうも言います。

 自分が書いたものが多くの人を傷つけたり
 死に追いやったりすることがあるかもしれない
 という罪業意識を常に持っている。

 普通に働く人の生活感情を損なう可能性が
 あるという覚悟と配慮が絶えず必要な特殊な職業。

ブログなどを通じて、
一億総表現者にならんとしている現在、
これは誰もが直面する課題に
なっているのではないでしょうか。

それにしても、
このインタビュー記事で一番いいのは、
吉本さんの写真でした。

ここに掲載するわけにはいかないのですが、
見る機会のある人はぜひ。

挿絵でみたことのある親鸞がだぶってみえるような、
生涯現役のオーラを放っています。

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コメント

覚悟と配慮――胸に沁みるフレーズです。
「自分の発する言葉が何びとも傷つけることのないように」
これをモットーとして私も日々書いているのですが、
逆に、傷つける又は傷つけられる可能性を覚悟して
まわりの世界と切り結ばなければ
ライターとしての成長は望めないんだろうなあ……
難しそう。

投稿: GORICO | 2006/12/27 17:37

GORICOさん。コメントありがとうございます。

また一方で、これを避けたら言論の自由が無くなる
ということに対して、どのようにそれを書くかを、
考えるのもライターの使命なのでしょうね。

投稿: 喜山 | 2006/12/30 17:11

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